不安、物質乱用及び依存の予防のための改良型方法及び組成物|詳細 - Astamuse(アスタミューゼ)
以下の情報は、出願公開日時点(2008年11月06日)のものです。
0001
本発明は、外因性及び内因性物質に関する心理学的中毒及び生理学的依存を予防する改良型方法に、並びにそのための組成物に関する。より詳細には、本発明は、薬学的化合物を神経ステロイド産生阻害薬と組合せて投与して、内因性神経ステロイド産生を予防する方法及びそのための組成物に関する。本発明は、薬学的化合物を神経ステロイド産生阻害薬と組合せて投与して、内因性及び外因性物質の両方の交差耐性作用を回避することにも関する。
0002
[関連出願の相互参照]
本発明は、優先権に関して、米国特許仮出願第60/669,033号(表題「物質乱用の治療のための改良型方法」)(2005年4月7日出願)、米国特許仮出願第60/728,979号(表題「物質乱用及び依存症の治療方法」)(2005年10月21日出願)及び米国特許仮出願第60/729,013号(表題「不安関連疾患の治療方法」)(2005年10月21日出願)によっている。
0003
本発明は、プロゲステロン代謝物質アロプレグナノロンによるGABAAの調節を、直接又は間接的に防止する方法及びそのための組成物にも関する。より詳細には、本発明は、従来の薬学的化合物の治療活性をアロプレグナノロンの産生を抑制する神経ステロイド産生阻害薬の治療活性と組合せることに関する。
0004
本発明は、GABAA受容体α4サブユニットの発現を調節することによりGABAAを直接又は間接的に調節する一クラスの化合物から薬学的組成物を用いる方法にも関する。
0005
中毒は、その負の結果と関係なく、一行動を反復するための制御不可能な強迫である。多数の薬剤又は行動は、中毒として認識される一パターンの活動をもたらし、例としては、より多くの薬剤又は行動に対する欲求、曝露に対する生理学的耐性の増大、並びに刺激の非存在下での離脱症候が挙げられる。区別はしばしば生理学的中毒及び身体依存間でなされるが、しかし本用語は、この明細書を通して互換的に用いられる。
0006
中毒は一般的に違法麻薬に適用されると考えられるが、一方、合法的物質、例えば処方及び市販薬剤も中毒を引き起こし得る。正の治療効果を有する多数の有用な合法的処方及び市販薬剤が存在するが、一方、それらは、これらの薬剤を使用する患者において中毒傾向が認められるという点で、使用が限定される。
0007
物質中毒及び乱用は、多因性神経学的疾患である。時が経つにつれ、内因性及び外因性の両方の種々の物質への反復曝露は、受容体後シグナル伝達カスケードにおける神経伝達回路及び適応の修飾を引き起こす。この神経細胞修飾のいくつかの作用が存在する。それらの間で、報酬経路を活性化して、抑うつ動機づけ及び気分をもたらす天然報酬の能力の低減、並びに生理学的変化を補償する強迫増大が存在する。
0008
中毒の基礎を成す共通認知は「報酬回路」ということであるが、快楽は、必ずしも人をかれらの中毒に駆り立てるのに十分強い衝動であるわけではない。むしろ中毒行動は、離脱を経験している時に生じる不安を管理し及び/又は回避したいという強い欲求から生じる。同様に不安関連疾患は、内因性神経ステロイド離脱中に経験される不安を管理し及び/又は回避したいという強い欲求から生じる行動により引き起こされる。
0009
物質依存、例えばベンゾジアゼピン乱用のための伝統的治療は、認知行動療法又は薬物療法或いはその組合せに基づいていた。しかしながら従来の治療方法は、中毒及び依存に伴って起こる生理化学的変化をそれらが取り扱わないという点で失敗している。さらに物質乱用を治療するための従来の方法は、患者が物質に対して中毒になり、離脱症候を経験するまで待つ必要がある。
0010
したがって、必要なものは、処方又は市販の薬剤に対する心理学的中毒並びに生理学的依存を防止するための改良型方法及び組成物である。
0011
さらにまた必要なものは、既知の処方又は市販薬剤を低中毒性及び習慣性にするための方法である。
0012
[発明の概要]
本発明は、外因性及び内因性物質に関する心理学的中毒及び生理学的依存を防止するための改良型方法及び組成物に関する。より詳細には、本発明は、内因性神経ステロイド産生を防止するための神経ステロイド産生の阻害薬と組合せて薬学的化合物を投与するための方法及び組成物に関する。本発明は、内因性及び外因性物質の両方の交差耐性及び複合離脱作用を回避するために、神経ステロイド産生の阻害薬と組合せて薬学的化合物を投与することにも関する。
0013
本発明は、プロゲステロンによるGABAAの調節を直接又は間接的に防止するための方法及び組成物にも関する。
0014
本発明は、プロゲステロン代謝物質アロプレグナノロンによるGABAAの調節を直接的又は間接的に防止するための方法及び組成物にも関する。より詳細には、本発明は、従来の薬学的化合物の治療活性を、アロプレグナノロンの産生を抑制する神経ステロイド産生の阻害薬の治療活性を組合せることに関する。
0015
中毒特性を有する物質を、神経ステロイド産生の阻害薬と組合せて含む組成物も提供される。これらの化合物の投与方法も、本明細書中で提供される。中毒特性を有するこのような物質としては、刺激薬、避妊薬、精神安定薬、鎮静薬、催眠薬、ベンゾジアゼピン、鎮痛薬及びバルビツレートが挙げられ得る。これらの組成物は、受容体サブユニット発現のモジュレーターを任意に含み得る。
0016
一実施形態では、本発明は、乱用物質に対する中毒又は依存を防止するために治療的有効量の内因性神経ステロイド産生の阻害薬を組合せた治療的有効量の薬学的化合物の組成物に関する。
0017
別の実施形態では、本発明は、中毒を防止し、又は依存を低減するのに有効な習慣性又は中毒性副作用を伴わない薬学的化合物の投与方法であって、薬学的化合物に対する中毒を防止し又は依存を低減するために治療的有効量の薬学的化合物を、治療的有効量の内因性神経ステロイド産生の阻害薬と組合せて投与することを包含する方法に関する。
0018
したがって、乱用物質に対する依存又は中毒を低減するための組成物及び方法を提供することは、本発明の一目的である。
0019
したがって、神経ステロイドの形成を抑制するための方法及び組成物を提供することが
、本発明の別の目的である。
0020
GABA受容体サブユニットの発現を調節するための組成物及び方法を提供することが、本発明の別の目的である。
0021
本発明の別の目的は、乱用物質に対する中毒又は依存を防止するための薬剤の調製における神経ステロイド産生阻害薬の使用を提供することである。
0022
本発明の別の目的は、物質乱用に対する中毒又は依存を防止するための薬剤の調製における神経ステロイド産生阻害薬及び薬学的化合物の使用を提供することである。
0023
本発明のこれらの並びに他の目的、特徴及び利点は、開示された実施形態及び特許請求の範囲についての以下の詳細な説明、並びに提示された図面の検討後、明白になるであろう。
0024
[発明の詳細な説明]
I.序論
本発明は、本明細書中に含まれる特定の実施形態についての以下の詳細な説明を参照することにより、さらに容易に理解され得る。本発明をその特定の実施形態の特定の詳細を参照しながら説明してきたが、しかしこのような詳細は本発明の範囲に関する制限とみなされるべきものではないことが意図される。
0025
本発明は、外因性及び内因性物質への心理学的中毒及び生理学的依存を防止するための改良型方法及び組成物に関する。本明細書中で用いる場合、「乱用物質」という用語は、中毒生成物質を指し、例としてはオピオイド、ベンゾジアゼピン、大麻、カフェイン、ニコチン、並びに神経報復経路を刺激し、中毒を促進するその他の薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。より詳細には、本発明は、内因性神経ステロイド産生を防止するための神経ステロイド産生の阻害薬と組合せて薬学的化合物を投与するための方法及び組成物に関する。本発明は、内因性及び外因性物質の両方の交差耐性及び化合物離脱作用を回避するために、神経ステロイド産生の阻害薬と組合せて薬学的化合物を投与することにも関する。
0026
本発明は、プロゲステロンによるGABAAの調節を直接又は間接的に防止するための方法及び組成物にも関する。
0027
本発明は、プロゲステロン代謝物質アロプレグナノロンによるGABAAの調節を直接的又は間接的に防止するための方法及び組成物にも関する。より詳細には、本発明は、従来の薬学的化合物の治療活性を、アロプレグナノロンの産生を抑制する神経ステロイド産生の阻害薬の治療活性を組合せることに関する。
0028
一実施形態では、内因性神経ステロイド産生並びに内因性及び外因性物質間の交差耐性の有効防止は、種々の物質に起因する中毒の前に起こる根元的病理生理学、即ちプロゲステロン及びデオキシコルチコステロン(DOC)並びにそれらの代謝物質アロプレグナノロン及びテトラヒドロデオキシコルチコステロン(これらは、長期曝露及び離脱時に、GABAA受容体α1サブユニットと比較してGABAA受容体α4サブユニットの発現増大を生じる)の転換を取り扱うことを必要とする。
0029
一実施形態では、有効組成物は、従来の薬学的化合物の治療活性を神経ステロイド産生の阻害薬の治療活性と組合せたものである。
0030
一実施形態では、有効組成物は、処方又は市販薬剤への心理学的中毒及び身体依存を防止するものである。
0031
一実施形態では、本発明は、既知の処方又は市販薬剤を低中毒性及び低習慣性にするための有効組成物に関する。
0032
一実施形態では、薬学的化合物は、オピオイド及びそれらの誘導体を含む化合物のクラスから選択される。
0033
一実施形態では、薬学的化合物は、テトラヒドロカンニボール及びその誘導体を含む化合物のクラスから選択される。
0034
一実施形態では、薬学的化合物は、ベンゾジアゼピンを含む化合物のクラスから選択される。
0035
一実施形態では、薬学的化合物は、精神安定薬、鎮静薬、催眠薬及びバルビツレートを含む化合物のクラスから選択される。
0036
一実施形態では、薬学的化合物は、避妊薬を含む化合物のクラスから選択される。
0037
一実施形態では、薬学的化合物は、刺激薬及びその誘導体を含む化合物のクラスから選択される。
0038
一実施形態では、神経ステロイド産生の阻害薬は、5−アルファ−レダクターゼ阻害薬である。一実施形態では、5−アルファ−レダクターゼ阻害薬はフィナステリドである。一実施形態では、5−アルファ−レダクターゼ阻害薬はデュタステリドである。一実施形態では、5−アルファ−レダクターゼ阻害薬は有機薬剤、例えばノコギリヤシ及びスピロノラクトンであるが、これらに限定されない。
0039
一実施形態では、神経ステロイド産生の阻害薬は、3−アルファ−ヒドロキシステロイドオキシドレダクターゼ遮断薬である。一実施形態では、3−アルファ−ヒドロキシステロイドオキシドレダクターゼ遮断薬はインドメタシンである。
0040
一実施形態では、内因性及び外因性物質に対する依存、耐性、並びにその間の交差耐性は、GABAA受容体α4サブユニットの発現を調節することによりGABAAを直接又は間接的に調節する化合物の一クラスからの薬学的組成物を任意に投与することによりさらに防止され得る。より詳細には、化合物は、GABAA受容体で、より詳細には、α4サブユニット又はα6サブユニットでアゴニストとして役立つもの、そしてGABA流を積極的に強化し得るものである。
0041
一実施形態では、GABAA受容体α4サブユニットの発現を調節することによりGABAAを直接又は間接的に調節する化合物の一クラスからの化合物は、フルマゼニルである。一実施形態では、フルマゼニルは、制御放出処方物で投与される。一実施形態では、フルマゼニルは、皮下インプラントにより投与される。別の実施形態では、フルマゼニルは経皮パッチにより投与される。
0042
この説明で用いる場合、「物質乱用」という用語は、個体の物質使用の制御減損、有害結果にも関わらず物質使用を継続すること、強迫的物質使用及び/又は薬剤欲求を発現する種々の身体的及び心理学的状態を指すために用いられる。当該用語は、心理学的依存、
身体依存、耐性、物質使用の不適応パターン、物質使用に心を奪われること、及び/又は使用中断時の離脱症候の存在を含むよう意図される。上記にも関わらず、「中毒」及び「依存」という用語は、この本文全体を通して互換的に用いられる。
0043
ここで、本発明の特定の実施形態が詳細に参照される。本発明は特定の実施形態と一緒に記載されるが、本発明は一実施形態に限定されることは意図されない。
0044
II.GABA作動性系
a.ガンマ−アミノ酪酸(GABA)
GABAは、脳及び脊髄中の抑制性シナプスで作用する神経伝達物質である。GABA系は、他の場所の中でも特に、記憶形成に関連する脳の領域である海馬に見出される。グルタミン酸又はグルタメートは、興奮性神経伝達物質として、そしてGABA作動性ニューロン中でのGABAの合成のための前駆体として、脳機能において重要である。グルタミン酸は、以下でさらに詳細に記載されるイオンチャネル型及び代謝型グルタミン酸受容体の両方を活性化する。GABAシグナルは、記憶形成の記録及び固定段階を妨害する。
0045
b.GABA受容体タイプ
GABA受容体は、それらの内因性リガンドとしてGABAを有する受容体の一群である。イオンチャネルそれ自体であるイオンチャネル型受容体、及び中間体によりイオンチャネルを開放するGプロテイン結合受容体である代謝型受容体を含むGABA受容体のいくつかのクラスが既知である。グルタミン酸及びGABAは、それらの受容体の活性化によりそれらの作用を媒介する。
0046
イオンチャネル型GABA受容体(GABAA受容体)は、21のサブユニットから成る8つのサブユニットファミリー(α1-6、β1-4、γ1-4、δ、ε、π、θ、p1-3)の存在を基礎にしており、並外れた構造的不均質性を示す。GABAA受容体は、5つの円形に配列された相同サブユニットで構成され、薬剤作用の重要部位である。非常にしばしば、GABAA受容体異性体は、2つのαサブユニット、2つのβサブユニット及び1つのγサブユニットを含む。代謝型GABA受容体(GABAB受容体)は、2つのサブユニット:即ちGABAB1及びGABAB2から成る。GABAB受容体の活性化後の生理学的応答は、GABABi及びGABAB2の共同ア� ��ンブリ(co-assembly)を要し、GABAC受容体も元々存在する。
0047
c.GABAA受容体サブユニット
GABAA受容体系は、多数の中枢神経系障害に関与し、GABAA受容体リガンドを潜在的治療薬にする。GABAA受容体は、グリシン、ニコチン様コリン作動性及びセロトニン5HT3受容体と同一のスーパーファミリーの受容体に属するリガンド依存性(ligand-gated)イオンチャネルである。いくつかのGABAA受容体の機能増強は、以下でさらに詳細に記載されるベンゾジアゼピンの主要作用を果たす。さらに、多数の化合物が、GABAA受容体に対する機能的選択性を示している。
0048
GABAA受容体複合体は、7つの異なるクラスからのサブユニットの共同アセンブリにより形成される五量体受容体タンパク質構造である。5つのサブユニットは、中心塩素イオン透過性孔を囲む環状アレイ中に位置する。ニコチン様アセチルコリン受容体中のリガンド誘導性チャネル開口に関するメカニズムはリガンド結合ドメイン中のサブユニットの回転を包含する、ということが示唆されている。GABAA受容体がチャネル開口に関して同様のメカニズムを利用すると仮定すると、GABAA受容体はニコチン様アセチルコリン受容体と同一のスーパーファミリーに属するため、大型置換基はチャネル開口を妨げて(立体障害)、或る種の化合物のアンタゴニスト作用を生じ得る。さらに、GABA受容体の活性化� ��、いくつかの他の系に影響を及ぼして、最終的には中枢神経系の全体的
機能の全身性急性修飾を生じる。
0049
サブユニットの特定の組合せは異なる薬理学的及び生理学的特性を有する受容体を生じるが、GABAA受容体組成物は不変ではない。GABAA受容体媒介性抑制を促すことによりそれらの作用を生じる抗不安薬ベンゾジアゼピンからの離脱は、皮質及び海馬の両方におけるα4及びβ1サブユニットmRNAの定常状態mRNAレベルの増大を生じる。δサブユニットはしばしば、α4サブユニットを含むGABAA受容体サブタイプと関連づけられる、ということに留意すべきである。
0050
GABA及びGABAA受容体は、発作、抑うつ、不安及び睡眠障害のような疾患状態に関与する。GABA、並びに他の直接又は間接的に作用するGABAA受容体アゴニスト(GABA模倣物)、例えばぞれぞれアロプレグナノロン及びテトラヒドロデオキシコルチコステロンのうちのいくつかは、α及びβサブユニット間の界面に位置する認識部位に特異的に結合する。しかしながら古典的ベンゾジアゼピン、例えばジアゼパム及びフルニトラゼパムは、αサブユニット及びγサブユニット間の界面に位置するアロステリック部位に結合する。
0051
より詳細には、GABAは、αサブユニット及びβサブユニット間の間隙に結合し、その作用は塩素イオンチャネルをゲート開口して、細胞中への塩素イオンの流入を可能にする。これは、一般的には、細胞の膜電位をより負とすることにより、ニューロン活性に及ぼす抑制作用を有する細胞を過分極して、結果的に脱分極閾値を増大して、作用電位を生じる。
0052
ほとんどの抑うつ及び鎮静薬、例えばベンゾジアゼピン精神安定薬、バルビツレート、麻酔薬及びアルコールは、細胞中に負荷電塩素イオンを蓄積して、鎮静又は麻酔作用を誘導するに際して、それらがGABAの作用を増強し得る独特の部位でGABAA受容体に及ぼす調節作用を有すると考えられる。
0053
GABAの分子の種々の部分のコンホメーション制限及びアミノ酸の官能基の生物立体的置換は、広範囲の特異的GABAAアゴニストをもたらす。これらの分子のいくつかは、GABAA受容体ファミリーの薬理学を理解するに際して重要な役割を果たす。
0054
GABAA受容体中の特定のαサブユニットアイソフォームの非存在又は存在は、或る種の薬剤に対する選択性を付与する。異なるαサブユニットは、ベンゾジアゼピンの別個の薬理学的作用、例えば鎮静−催眠作用及び抗不安作用も媒介する。ベンゾジアゼピンの長期投与は、これらの薬剤の作用のいくつかに対する耐性の発現を生じ、したがってそれらの臨床的効能を低減する。これらの依存に関する分子的基礎は依然として不明であるが、耐性及び依存はベンゾジアゼピンの薬力学に関連づけられるようである。
0055
ベンゾジアゼピンの長期投与は、種々のGABAAサブユニットをコードする遺伝子の発現を修飾する。遺伝子発現におけるこれらの変化は、GABAA受容体のそれらの薬理学的モジュレーターに対する感受性を変更し、それによりこれらの薬剤に対する耐性又は依存の発現の基礎を成す。GABAA受容体のサブユニット組成物は、ベンゾジアゼピン受容体リガンドに対するそれらの親和性及びこれらのリガンドの効能を確定する。例えば古典的ベンゾジアゼピンアゴニスト(例えばジアゼパム)、イミダゾピリジン、イミダゾキノロン及びピラゾロピリミジンは、α4サブユニット又はα6サブユニットを含むGABAA受容体に対する親和性又はGABAA受容体での効能を示さない。
0056
ネイティブGABAA受容体のサブユニット組成物は、それらの生理学的及び薬理学的機能を規定するに際して重要な役割を果たす。GABAA受容体のサブユニット組成物が
調節されるメカニズムを理解することにより、GABAA受容体の生理学的、薬理学的及び病理学的役割を特性化することが可能である。したがって特異的GABAA受容体サブユニット遺伝子の発現は、種々の生理学的及び薬理学的モジュレーター、例えば薬理学的作用物質、内因性神経ステロイド及び食物(これらに限定されない)により影響を及ぼされ得る。
0057
例えば、ベンゾジアゼピン、ザルペロン、ゾルピデム又は神経ステロイドへの長期曝露及びその後の離脱は、α4サブユニットmRNAの増大を含む特異的GABAA受容体mRNAの及びポリペプチドサブユニットの発現における、並びに培養細胞中でのGABAA受容体機能における選択的変化を生じる。ジアゼパム又はイミダゼニルからの離脱は、GABA作用を強化するジアゼパムの能力低減及びGABA作用を強化するフルマゼニルの能力の両方に関連していた。長期ベンゾジアゼピン治療及びその後の離脱は受容体サブユニット組成物における変化をもたらし、そしてこれらの新規合成受容体は、ベンゾジアゼピンに対して低応答性である。しかしながらα4サブユニットの上方制御は、ベンゾジアゼピン依存の発 現のために、必然的に他のサブユニットの下方制御とカップリングされ得る。
0058
夫が停止いびき
ザルペロン又はゾルピデムの離脱は、ジアゼパムの場合と同様に、α4サブユニットmRNAの量の顕著な増大を誘導した。GABAA受容体遺伝子発現に及ぼすザルペロン及びゾルピデムのこれらの作用は、ジアゼパムの場合と比較してこれらの薬剤の耐性傾向(tolerance liability)低減と、並びに身体依存及び離脱症候の両方を誘導するそれらの能力と一致する。
0059
α4サブユニットmRNA及びタンパク質の量のエタノール離脱誘導性増大は、GABA及びベンゾジアゼピンに対するGABAA受容体の感受性低減に関連する。アルコールの作用は、上記のように、脳中のほとんどの抑制性神経伝達を媒介するCl-流をゲート制御するGABAA受容体の機能を増強する薬剤の作用と類似する。短期的には、高用量のアルコールは、ネイティブ及び組換えGABAA受容体の両方でGABA依存(GABA-gated)の傾向を強化し、そして長期的には、GABAA受容体発現を変更する。エタノールは、種々の受容体により媒介される神経伝達、特にGABAA受容体により媒介される神経伝達の調節によりその中心的作用を引き出す。長期エタノール投与はサブユニット組� ��物にも、その結果としてネイティブGABAA受容体の機能的特性にも影響を及ぼす、ということが示されている。エタノールの薬理学的プロフィールはベンゾジアゼピンのものと類似しており、そして交差耐性及び依存の発現も生じる。
0060
エタノール離脱の時点でのジアゼパムへの曝露は、多量のα4サブユニットmRNAの離脱誘導性増大と拮抗する。ジアゼパムによるエタノールの置換も、細胞代謝におけるエタノール離脱誘導性減損を遮断する。エタノール離脱の時点でGHBに曝露された細胞は、多量のα4サブユニットmRNAの増大の抑制を生じる。
0061
エタノールに曝露される細胞中のフルマゼニルの調節作用は、エタノールに曝露されない細胞中で測定されるものと類似する。しかしながらそれに対して、エタノール離脱細胞では、3μMのフルマゼニルは、これらの細胞中でのα4サブユニットのエタノール離脱誘導性上方制御と一致してGABA惹起性Cl-流を強化する。エタノールの代わりの10μMのジアゼパム又は100mMのGHBの置換は、エタノール離脱により誘導される3μMのフルマゼニルの正の調節を無効にした。
0062
組換えGABAA受容体中のα4サブユニットの存在は、古典的ベンゾジアゼピンアゴニストに対する、そしてゾルピデムに対する感受性低減と、フルマゼニルによる別個のパターンの調節(アロステリック調節でないというよりむしろ正の)とに関連する。
0063
概して、GABAA受容体の異なる部位で作用するアゴニストによる長期治療は、大量の特異的受容体サブユニットmRNAの変化を伴う受容体の生化学的及び機能的特性における変化を引き起こす。さらに、神経ステロイド経路によりGABAA機能を調節する物質を用いた長期治療は、大量の特異的受容体サブユニットmRNAの変化を伴う受容体の生化学的及び機能的特性の変化を引き起こす。培養小脳顆粒細胞中のα4サブユニット遺伝子の発現におけるエタノール離脱誘導性増大がジアゼパムにより防止されるという観察は、ベンゾジアゼピン治療がヒトにおけるアルコール離脱症候を治療するのに有効である、という事実と一致する。よって、エタノール離脱により誘導される大量のα4サブユニットにおけ る迅速且つ顕著な増大は、したがって、ヒトにおけるジアゼパム感受性離脱症候の発現に関与し得る。
0064
III.GABA及び神経ステロイド
GABAA受容体の役割の特性化は、サブユニット組成物が調節されるメカニズムについての理解を要する。鎮静−催眠、抗不安又は抗痙攣薬の長期投与は、これらの受容体の薬剤感受性及び機能と同様に、GABAA受容体サブユニット遺伝子の発現に影響を及ぼし得るが、これは、このような変化に関与するメカニズムも、神経ステロイドのような内因性化合物によるGABAA受容体の生理学的調節の基礎となる、ということを示唆する。
0065
神経活性ステロイド3α−ヒドロキシ−5α−プレグナン−20−オン(アロプレグナノロン)及び3α,21−ジヒドロキシ−5α−プレグナン−20−オン(テトラジヒドロデオキシコルチコステロン又はTHDOC)は、ベンゾジアゼピン及び他の抗不安薬と同様の抗不安、鎮静、催眠及び抗痙攣作用を誘導する。これらの神経ステロイドの濃度は、不安惹起、抗抑うつ又は抗精神病薬による治療に、並びに気分及び情緒的状態に影響を及ぼす生理学的又は病理学的条件(例えば抑うつ、ストレス、月経周期の黄体期、及び妊娠)の両方に応答してヒトの脳中で増大される。付加的研究は、ラット脳における基本的及びストレス誘導性ドーパミン放出の両方の生理学的調節物質としての内因性アロプレグナノロンに関係する。
0066
ステロイド代謝産物はGABA受容体複合体と反応して、脳興奮性を変更する。これらのステロイドのいくつかは、副腎ステロイドの局所的合成後又は代謝後に脳中に蓄積する。神経ステロイドは、末梢神経系及び中枢神経系で、末梢供給源から移入されるコレステロール又はステロイド前駆体から合成される。プロゲステロン及びエストロゲンはともに、中枢神経系のニューロンの興奮性を変更する。例えばエストロゲンはGABAA受容体で抑制を低減し、グルタミン酸受容体で興奮を増強し、そして興奮ニューロンシナプスの数を増大する。これに対して、プロゲステロンはGABA媒介性抑制を増強し、GABA合成を増大し、そしてGABAA受容体の数を増大する。特に、プロゲステロン及びその代謝物質は、脳興奮性� ��及ぼす顕著な作用を有することが実証されている。プロゲステロン及びその代謝物質のレベルは、月経周期の時期に伴って変わり、月経開始前に低減する。プロゲステロンは、ヒト脳中で、アロプレグナノロン(3α−OH−5α−プレグナン−20−オン又は3α,5α−THP)に容易に転換される。
0067
神経ステロイドは、神経伝達物質依存性(neurotransmitter-gated)イオンチャネルとの相互作用により、ニューロン興奮性を急速に変更する。アロプレグナノロンはGABAA受容体の陽電位モジュレーターであり、塩素イオンチャネルをゲート開口して、細胞中への塩素イオンの流入を可能にする作用を増強する。これは、一般的には、ニューロン活性に及ぼす抑制作用を有する細胞を過分極して、したがってアロプレグナノロンは鎮静又は抗不安薬として作用して、不安を低減する。
0068
GABAA調節アロプレグナノロンは、上記のように、不安惹起性離脱症候の発生にも関与する。そこで示される離脱プロフィールは、他のGABAA調節薬、例えばベンゾジアゼピン、バルビツレート及びエタノール等に関して報告されたものと類似する。したがって、脳中の伝統的伝達物質受容体に及ぼす神経活性ステロイドの作用は、受容体及び行動興奮性の固有のチャネル特性における変化を生じるGABAA受容体サブユニット組成物の変更をもたらす。変化は、海馬中のGABAA受容体のα4サブユニットに関するmRNA及びタンパク質の両方における有意の増大にも関連する。
0069
したがって、内因性神経ステロイドアロプレグナノロンは、上記のようにGABAモジュレーターと類似の離脱特性を示し、長期投与後の急激中断後の不安感受性を増大する。ニューロン興奮性の増大は、GABAAα4サブユニットの上方制御に起因すると考えられている。したがってα4β2γは、ホルモン離脱後に選択的に発現される。α4遺伝子転写物の遮断は、離脱特性を妨げる。
0070
GABAA受容体α1サブユニットに比してのGABAA受容体α4サブユニットの発現の増大は、多数の因子に起因し得る。これらの例としては、1)離脱時に、GABAA受容体a1サブユニットに比してGABAA受容体α4サブユニットを増大する、内因性及び外因性の両方の組成物;並びに2)GABAA受容体α4サブユニットの発現の増大又はGABAA受容体α1サブユニットの発現の低減を生じる、内因性又は外因性の両方の組成物が挙げられるが、これらに限定されない。
0071
ホルモン又は避妊用化合物、特にプロゲステロンを含有するものの長期投与は、GABAA受容体α4サブユニットの上方制御を生じる。内因性神経ステロイドレベルが変動すると、或る種の外因性物質に対するヒトの耐性傾向も変動する。例えば低内因性ホルモンレベルを有する患者(これに限定されない)では、患者が定期的に摂取している特定投与量のプロゲステロンの投与は、依然として離脱症候を生じ得るが、これは、内因性及び外因性の両供給源により調合される高レベルのプロゲステロンに対する耐性を患者が発現したためである。したがって、一貫した量の内因性物質に対する耐性を有する場合でも、内因性神経ステロイドレベルの変動のため、交差耐性効果も観察され得る。
0072
或る種の物質(内因性及び外因性の両方)は、内因性神経ステロイド経路により、直接的又は間接的に、GABAAのアロスタティック制御における修飾を生じ得る。十分量で血液−脳関門を横断するほとんどの物質は、神経保護的神経ステロイド応答を刺激し得る。概して、物質が神経興奮性であるほど、より多くの神経ステロイド応答が達成される。神経ステロイドの増大により、GABAA受容体活性が増強されて、一定状態の活性化を引き起こし、これは、時が経つにつれ、神経ステロイド耐性を生じ得る。したがって、神経興奮性物質がもはや存在しなくなると、脳の神経ステロイドレベルは天然レベルに低減して、神経ステロイドから「離脱」の状態を個体に経験させる。
0073
この「離脱」の経過において、或る種のGABAA受容体サブユニットは、不安のより大きな感情に対してヒトの脳を感受性にさせるように、発現されるか又は抑制され得る。特に、ヒトの脳のGABAA受容体α1サブユニットは、GABAA受容体α4サブユニットとの相対量で低減する。神経ステロイド「離脱」及びその後のα1サブユニットと比したα4サブユニットの上方制御の結果として、GABA受容体はGABAによりもはや有効に調節されず、したがって不安のより大きい感覚を経験しているヒトを生じる。
0074
一実施形態では、個体の思考の抑制性制御の程度の低下は、個体の脳における神経伝達物質GABAに対するシナプスGABAA受容体の受容性の修飾により引き起こされる。例えば物質乱用はGABA受容性を減少させる;したがって外因性物質又は「薬剤」はGABAA受容体を調節する。使用者が外因性物質の消費を中止すると、離脱時のGABA
A受容体組成物における変化(即ちGABAA受容体a1サブユニットと比較した場合のGABAA受容体α4サブユニットの相対量増大)のために、受容体はGABAにより有効に調節されず、したがって不安を引き起こす。
0075
図1は、GABAAの直接及び/又は間接的アロステリック調節による抑制と脱抑制との間のスペクトルを示す。スペクトル100はさらに、抑制105と脱抑制110との間の範囲を示す。GABAの機能又はGABAA受容体115を直接又は間接的に増強する外因性又は内因性物質の増大は、GABAアゴニズムの増大を生じ、したがって抑制、不安緩解、記憶喪失及び鎮静の増大、並びに昏睡状態増大さえ生じ得る。
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0076
しかしながら、詳細に上述したように、ストレス、薬剤使用、及び行動でさえもが、これらの適応応答を活性化し、そしてホメオスタシス、脳の内部平衡を乱す。内因性及び外因性物質の両方の離脱時に、スペクトル150で示されるようにGABAA受容体115のa1サブユニット125に比してα4サブユニット120の顕著な増大が認められる。GABAA受容体115のα4サブユニット120の増大は、受容体をベンゾジアゼピン、並びにGABA及びGABAA受容体に作用し且つ/又はその機能を増強する他の組成物に対して無感受性にさせる。したがってアロスタシスに関与する系が自己調節しない(即ち、必要でない場合に止めず、又は必要な場合に活性化しない)場合、しばしば不安 又は渇望の形態で示されるこの不活性な又は絶えず活性な状態を取り扱うために、脳は補償的動因を経験する。
0077
不安は、いくつかの、しばしばあいまいな不運、身体的感覚、例えば動悸、胸痛及び/又は息切れをしばしば伴う恐怖、懸念及び心配の感情の複雑な組合せ、懸念、恐怖、神経衰弱或いは畏怖の感情(不穏若しくは緊張を伴う)、並びに/又は正常な生活機能を妨げる恐怖の衰弱状態の予期において経験される漠然とした不快な情動を含めて、複数の点で定義され得る。
0078
一実施形態では、不安は、図1に関して上述したように、個体が思考の抑制性制御の程度の低下を示す生理学的状態を含む。このような抑制性制御の程度低下は、ヒトの脳における内部思考フィルタリングメカニズムの中止、抑制又はそうでなければ下方制御により引き起こされ得る。図2を参照すると、内部思考フィルタリングメカニズム200は、眼窩前頭皮質210(制御を発揮することに関与すると考えられる)及び前帯状回215(動機づけ及び動因衝撃に関与すると考えられる)を含めてヒトの前頭前野205内に或る種の中心を包含する。これらの脳中心は、例えば脳の側坐核220及び腹側被蓋野225の領域を含む報酬回路のような或る種の生理学的入力により実質的に影響を及ぼされる。
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0079
正常に調節されると、眼窩前頭皮質210はヒトの思考の制御に力を発揮して、漠然とした不快な情動並びに恐怖、懸念及び心配の感情により「圧倒される」個々の感情を有することを回避し得る。しかしながらGABAA受容体機能がともかくも減損される場合、GABA調節不全が起こり、そしてヒトの思考の制御に力を発揮する眼窩前頭皮質210の能力減損を、したがって抑制制御の程度の低下を生じ得る。
0080
その結果として、いかなる物質でも個体が得るのを確実にすることより、個体はこの不安を「取り扱う」よう強迫的に駆動されるようになるか、又は、不安の感情を排除するために、例えば個体の思考の抑制制御を回復するために、個体の脳が必要と考える活動が何であれ、関わるようになる。したがって、それは、自己破壊的と分類され得る行動、例えば物質乱用に意識的に個体を関わらせる不安の感情を取り扱うための生理学的動因である。
0081
外因性物質、例えばオピオイド、ベンゾジアゼピン、大麻、カフェイン、ニコチン及び
他の薬剤は、GABAA受容体機能に直接又は間接的に影響を及ぼし、そしてそれらの外因性物質が個体から差し止められると、GABAA受容体α4サブユニット(本明細書中では以後、α4サブユニットと一般的に呼ばれる)の発現を生じて、α1サブユニットの発現に比して増大する。
0082
内因性物質も、類似の作用を有し得る。詳細には、GABA調節ステロイド、例えばプロゲステロン及びデオキシコルチコステロン(DOC)並びにそれらの代謝物質アロプレグナノロン及びテトラヒドロデオキシコルチコステロンはそれぞれ、GABAA受容体機能に影響を及ぼし、したがってプロゲステロン又はDOCが個体中で低減されるか又は「離脱される」と、GABAA受容体α4サブユニットの発現をα1サブユニットの発現に比して増大させる。
0083
特に、このような物質は、神経ステロイド媒介性経路を介してGABAAを直接又は間接的に刺激し得る。それらの物質が後に差し止められると、α4サブユニットの量がα1サブユニットに比して増大する。この比の変化はしばしば一過性であり、そして逆転を受ける。しかしながら逆転しなくなると、即ちα4サブユニットがa1サブユニットに比してもはや下方制御しない場合、別個の病理生理学が出現する。上記のように、このような病理生理学が確立されると、GABAA受容体はしたがってベンゾジアゼピンに対して、並びに有効には、神経伝達物質GABAによる調節に対して低感受性になり、そして個体の思考及び行動の抑制制御に力を発揮できにくい。
0084
一実施形態では、ほぼすべての物質に関するGABA活性ステロイドスコア(「GSスコア」)を算定することが可能である。血液脳関門を横切る、又は中枢神経系に活性であるすべての物質に関して、GABA活性ステロイドのレベルを有効に上げるためにその特定の物質の必要とされる最小閾値レベルが存在する。したがってGSスコアは、アロプレグナノロン(これに限定されない)のような神経ステロイド媒介性経路を介したGABAAの直接的アゴニズム及び間接的調節と相関する。例えばコカイン(これに限定されない)は、より強力であり、そしてGABA活性ステロイドのレベルを上げるためにより低い閾値用量のコカインを要するため、コカインはアスパルテームより低いGSスコアを有する。GSスコアは、数� ��を測定し、物質の相対的中毒特性に割り当てるための一方法である。
0085
図3aを参照すると、ベンゾジアゼピン感受性GABAA受容体300aが示されている。GABAA受容体は、複数のサブユニット、例えば2つのβ2サブユニット305a、1つのγ2サブユニット310a及び2つのα1サブユニット315aを含む。受容体サブユニットmRNAの機能及び発現に影響を及ぼすことにより、或る種の内因性及び外因性物質はGABAA受容体α4サブユニットの発現をα1サブユニットの発現に比して増大させる。図3bを参照すると、修飾GABAA受容体300bは、複数のサブユニット、例えば2つのβ2サブユニット305b、1つのγ2サブユニット310b及び2つのα4サブユニット315bを含む。図3cに示されているよう に、GABAA受容体はしたがって、ベンゾジアゼピンに対して、並びに有効には、神経伝達物質GABAによる調節に対して低感受性になり、そして個体の思考及び行動の抑制制御に力を発揮できにくい。
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0086
IV.本発明に用いるための従来の組成物
ここで、本発明に用いるための薬学的化合物の特定の組成物及びクラスが参照される。中毒特性を保有する任意数の薬学的化合物は本発明に用いられ、そして一覧は網羅的でない、と当業者に理解されるべきである。例えばFDA又は医師用卓上参考書(PDR)から利用可能な発表された用量投与及び投与文献は、参照により本明細書中で援用される。
0087
電気ショック療法シドニー1970
本発明に使用される組成物としては、アルコール、ニコチン、カフェイン、茶、コーヒ
ー、タバコ、1−(1−フェニルシクロヘキシル)ピロリジン、1−(2−フェニルエチル)−4−フェニル−4−アセトキシピペリジン、1−[1−(2−チエニル)シクロヘキシル]ピペリジン、1−[1−(2−チエニル)シクロヘキシル]ピロリジン、13ベータ−エチル−17ベータ−ヒドロキシゴン−4−エン−3−オン、17アルファ−メチル−3アルファ,17ベータ−ジヒドロキシ−5アルファ−アンドロスタン、17アルファ−メチル−13ベータ,17ベータ−ジヒドロキシ−5アルファ−アンドロスタン、17アルファ−メチル−3ベータ,17ベータ−ジヒドロキシアンドロスト−4−エン、17アルファ−メチル−4−ヒドロキシナンドロロン(17アルファ−メチル−4−ヒドロキシ−17ベータ−ヒド� �キシエストル−4−エン−3−オン)、17アルファ−メチル−デルタ1−ジヒドロテストステロン(17ベータ−ヒドロキシ−17アルファ−メチル−5アルファ−アンドロスト−1−エン−3−オン)、19−ノル−4−アンドロステンジオール(3ベータ,17ベータ−ジヒドロキシエストル−4−エン;3アルファ,17ベータ−ジヒドロキシエストル−4−エン)、19−ノル−4−アンドロステンジオン(エストル−4−エン−3,17−ジオン)、19−ノル−5−アンドロステンジオール(3ベータ,17ベータ−ジヒドロキシエストル−5−エン;3アルファ,17ベータ−ジヒドロキシエストル−5−エン)、19−ノル−5−アンドロステンジオン(エストル−5−エン−3,17−ジオン)、1−アンドロステン ジオール(3ベータ、17ベータ−ジヒドロキシ−5アルファ−アンドロスト−1−エン;3アルファ,17ベータ−ジヒドロキシ−5アルファ−アンドロスト−1−エン)、1−アンドロステンジオン(5アルファ−アンドロスト−1−エン−3,17−ジオン)、1−メチル−4−フェニル−4−プロピオンオキシピペリジン、1−フェニルシクロヘキシルアミン、1−ピペリジノシクロヘキサンカルボニトリル、2,5−ジメトキシ−4−(n)−プロピルチオフェネチルアミン、2,5−ジメトキシ−4−エチルアンフェタミン、2,5−ジメトキシアンフェタミン、3,4,5−トリメトキシアンフェタミン、3,4−メチレンジオキシアンフェタミン、3,4−メチレンジオキシメタアンフェタミン、3,4−メチレンジオキ� ��−N−エチルアンフェタミン、3アルファ,17ベータ−ジヒドロキシ−5アルファ−アンドロスタン、3ベータ,17ベータ−ジヒドロキシ−5アルファ−アンドロスタン、3−メチルフェンタニル、3−メチルチオフェンタニル、4−アンドロステンジオール(3ベータ,17ベータ−ジヒドロキシ−アンドロスト−4−エン)、4−アンドロステンジオン(アンドロスト−4−エン−3,17−ジオン)、4−ブロモ−2,5−ジメトキシアンフェタミン、A−ブロモ−2,5−ジメトキシフェネチルアミン、4−ジヒドロテストステロン(17ベータ−ヒドロキシアンドロスタン−3−オン)、4−ヒドロキシ−19−ノルテストステロン(4,17ベータ−ジヒドロキシエストル−4−エン−3−オン)、A−ヒドロキシテス� �ステロン(4,17ベータ−ジヒドロキシアンドロスト−4−エン−3−オン)、4−メトキシアンフェタミン、A−メチル−2,5−ジメトキシアンフェタミン、4−メチルアミノレックス(シス異性体)、5−アンドロステンジオール(3ベータ,17ベータ−ジヒドロキシ−アンドロスト−5−エン)、5−アンドロステンジオン(アンドロスト−5−エン−3,17−ジオン)、5−メトキシ−3,4−メチレンジオキシアンフェタミン、5−メトキシ−N,N−ジイソプロピルトリプタミン、アセトルフィン、アセチル−アルファ−メチルフェンタニル、アセチルジヒドロコデイン、アセチルメタドール、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファセチルメタドール、レボ−アルファセチルメタドール、アルファ−エチルト リプタミン、アルファメプロジン、アルファメタドール、アルファ−メチルフェンタニル、アルファ−メチルチオフェンタニル、アルファ−メチルトリプタミン、アルファプロジン、アルプラゾラム、アミノレックス、アモバルビタール、アモバルビタール坐剤剤型、アンフェタミン、アナボリックステロイド、アンドロスタンジオン(5アルファ−アンドロスタン−3,17−ジオン)、アニレリジン、アプロバルビタール、バルビタール、バルビツル酸誘導体、ベンゼチジン、ベンゾイルエクゴニン、ベンズフェタミン、ベンジルモルヒネ、ベータセチルメタドール、ベータ−ヒドロキシ−3−メチルフェンタニル、ベータ−ヒドロキシフェンタニル、ベータメプロジン、ベータメタドール、ベータプロジン、ベジトラミド、ボラステ� ��ン(7アルファ,17アルファ−ジメチル−17ベータ−ヒドロキシアンドロスト−4−エン−3−オン)、ボルデノン(17ベータ−ヒドロキシアンドロスト−1,4−ジエン−3−オン)、ブロマゼパム、ブホテニン、ブプレノルフィン、ブタバルビタール(セクブタバルビタール)、ブタルビタール、ブトバルビタール(ブテタール)、ブトルファノール、カルステロン(7ベータ,17アルファ−ジメチル−17ベータ−ヒドロキシアンドロスト−4−エン−3−オン)、カマゼパム、カルフェンタニル、カチン、カチノン、クロラールベタイン、抱水クロラール、クロルジアゼポキシド、クロルヘキサドール、クロルフェンテルミン、クロバザム、クロナゼパム、クロニタゼン、クロラゼペート、クロルテルミン、クロステボ� �(4−クロロ−17ベータ−ヒドロキシアンドロスト−4−エン−3−オン)、クロチアゼパム、クロキサゾラム、コカの葉、コカイン、コデイン、コデインメチルブロミド、コデイン−N−オキシド、シプレノルフィン、デヒドロクロロメチルテストステロン(4−クロロ−17ベータ−ヒドロキシ−17アルファ−メチルアンドロスト−1,4−ジエン−3−オン)、デロラゼパム、デルタ1−ジヒドロテストステロン(17ベータ−ヒドロキシ−5アルファ−アンドロスト−1−エン−3−オン)、デソモルヒネ、デキスフェンフルラミン、デキストロモルアミド、ジアンプロミド、ジアゼパム、ジクロラールフェナゾン、ジエチルプロピオン、ジエチルチアンブテン、ジエチルトリプタミン、ジフェノキシン、ジヒドロコデイン、 ジヒドロエトルフィン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジメチルトリプタミン、ジオキサフェチルブチレート、ジフェノキシレート、ジピパノン、ジプレノルフィン、ドロスタノロン(17ベータ−ヒドロキシ−2アルファ−メチル−5アルファ−アンドロスタン−3−オン)、ドロテバノール、エクゴニン、エスタゾラム、エトクロルビノール、エチナメート、ロフラゼブ酸エチル、エチルエストレノール(17アルファ−エチル−17ベータ−ヒドロキシエストル−4−エン)、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、エトルフィン、エトキセリジン、フェンカムファミン、フェネチリン、フェンフルラミン、フェンプロポレックス、フェンタニル、フルジ� ��ゼパム、フルニトラゼパム、フルオキシメステロン(9−フルオロ−17アルファ−メチル−11ベータ,17ベータ−ジヒドロキシアンドロスト−4−エン−3−オン)、フルラゼパム、ホルメボロン(2−ホルミル−17アルファ−メチル−11アルファ,17ベータ−ジヒドロキシアンドロスト−1,4−ジエン−3−オン)、フラザボル(17アルファ−メチル−17ベータ−ヒドロキシアンドロスタノ[2,3−c]−フラザン)、フレチジン、ガンマヒドロキシ酪酸、グルテチミド、ハラゼパム、ハロキサゾラム、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルヒノール、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イボガイン、イソメタドン、ケタミン、ケタゾラム、ケトベミドン、レボ−アルファセチルメタドール、レボメトルファ� �、レボモラミド、レボフェナシルモルファン、レボルファノール、ロプラゾラム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、リゼルグ酸、マリファナ、マジンドール、メブタメート、メクロカロン、メダゼパム、メフェノレックス、メペリジン、メプロバメート、メスカリン、メスタノロン(17アルファ−メチル−17ベータ−ヒドロキシ−5アルファ−アンドロスタン−3−オン)、メステロロン(1アルファ−メチル−17ベータ−ヒドロキシ−5アルファ−アンドロスタン−3−オン)、メタゾシン、メタドン、メタンフェタミン、メタンジエノン(17アルファ−メチル−17ベータ−ヒドロキシアンドロスト−1,4−ジエン−3−オン)、メタンドリオール(17アルファ−メチル−3ベータ,17ベータ−ジヒドロキシアンドロスト −5−エン)、メタカロン、メトカチノン、メテノロン(1−メチル−17ベータ−ヒドロキシ−5アルファ−アンドロスト−1−エン−3−オン)、メトヘキシタール、メチルデソルフィン、メチルジエノロン(17アルファ−メチル−17ベータ−ヒドロキシエストル−4,9(10)−ジエン−3−オン)、メチルジヒドロモルヒネ、メチルフェニデート、メチルフェノバルビタール(メフォバルビタール)、メチルテストステロン(17アルファ−メチル−17ベータ−ヒドロキシアンドロスト−4−エン−3−オン)、メチルトリエノロン(17アルファ−メチル−17ベータ−ヒドロキシエストル−4,9,11−トリエン−3−オン)、メチプリロン、メトポン、ミボレロン(7アルファ,17アルファ−ジメチル−17ベ� ��タ−ヒドロキシエストル−
4−エン−3−オン)、ミダゾラム、モダフィニル、モルアミド中間体、モルフェリジン、モルヒネ、ミロフィン、N,N−ジメチルアンフェタミン、ナビロン、ナロルフィン、ナンドロロン(17ベータ−ヒドロキシエストル−4−エン−3−オン)、N−ベンジルピペラジン、N−エチル−1−フェニルシクロヘキシルアミン、N−エチル−3−ピペリジルベンジレート、N−エチルアンフェタミン、N−ヒドロキシ−3,4−メチレンジオキシアンフェタミン、ニココデイン、ニコモルヒネ、ニメタゼパム、ニトラゼパム、N−メチル−3−ピペリジルベンジレート、ノルアシルメタドール、ノルボレトン(13ベータ,17アルファ−ジエチル−17ベータ−ヒドロキシゴン−4−エン−3−オン)、ノルクロステボル(4−ク� �ロ−17ベータ−ヒドロキシエストル−4−エン−3−オン)、ノルジアゼパム、ノレタンドロロン(17アルファ−エチル−17ベータ−ヒドロキシエストル−4−エン−3−オン)、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルメタンドロロン(17アルファ−メチル−17ベータ−ヒドロキシエストル−4−エン−3−オン)、ノルモルヒネ、ノルピパノン、オピウムエクストラクツ、オピウム流体エクストラクツ、けし、アヘンチンキ、オキサンドロロン(17アルファ−メチル−17ベータ−ヒドロキシ−2−オキサ−5アルファ−アンドロスタン−3−オン)、オキサゼパム、オキサゾラム、オキシコドン、オキシメステロン(17アルファ−メチル−4,17ベータ−ジヒドロキシアンドロスト−4−エン−3−オン)、オ キシメトロン(17アルファ−メチル−2−ヒドロキシメチレン−17ベータ−ヒドロキシ−5アルファ−アンドロスタン−3−オン)、オキシモルヒネ、パラ−フルオロフェンタニル、パラヘキシル、パラアルデヒド、ペモリン、ペンタゾシン、ペントバルビタール、ペトリクロラール、ペヨーテ、フェナドキソン、フェナンプロミド、フェナゾシン、フェンサイクリジン、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェノバルビタール、フェノモルファン、フェノペリジン、フェンテルミン、フェニルアセトン、フォルコジン、ピミノジン、ピナゼパム、ピプラドロール、ピリトラミド、けしがら、プラゼパム、プロヘプタジン、プロペリジン、プロピラム、プシロシビン、プシロシン、ピロバレロン、クアゼパム、ラセメトルファン� ��ラセモラミド、ラセモルファン、レミフェンタニル、セコバルビタール、シブトラミン、スタノゾロール(17アルファ−メチル−17ベータ−ヒドロキシ−5アルファ−アンドロスト−1−エノ[3,2−c]−ピラゾール)、ステンボロン(17ベータ−ヒドロキシ−2−メチル−5アルファ−アンドロスト−1−エン−3−オン)、スフェンタニル、スルホンジエチルメタン、スルホンエチルメタン、スルホンメタン、タルブタール、テマゼパム、テストラクトン(13−ヒドロキシ−3−オキソ−13,17−セコアンドロスタ−1,4−ジエン−17−酸ラクトン)、テストステロン(17ベータ−ヒドロキシアンドロスト−4−エン−3−オン)、テトラヒドロカンナビノール、テトラヒドロゲストリノン(13ベータ,1� �アルファ−ジエチル−17ベータ−ヒドロキシゴン−4,9,11−トリエン−3−オン)、テトラゼパム、テバコン、テバイン、チアミラール、チオフェンタニル、チオペンタール、チレタミン、ゾラゼパム、チリジン、トレンボロン(17ベータ−ヒドロキシエストル−4,9,11−トリエン−3−オン)、トリアゾラム、トリメペリジン、ビンバルビタール、ザレプロン、ゾルピデム、ゾピクロン、ビコジン、ヒドロコドン、コダン、ハイコダン、ハイドロメット、ハイドロパン、ミコドン、ツシゴン、ハイドロコドン、ペルコセット、オキシコドン、キサナックス、アルプラゾラム、オキシコンチン、ロルタブ、トラマドール、レキサプロ、エスシタロプラム、ニューロンチン、ガバペンチン、バリウム、ジアゼパム、リシノプ リル、リピトール、アトルバスタチン、アモキシシリン、ゾロフトセルトラリン、ナプロキセン、リリカ、プレガバリン、モルヒネ、クロナゼパム、アルプラゾラム、アデラール、ダルボセット、クロノピン、クロナゼパム、セロクエルクエチアピン、メタドン、トラゾドン、フレクサリル、シクロベンザプリン、シクロベンザプリン、プレドニゾン、シムバルタ、デュロキセチン、ロラゼパム、セファレキシン、アテノロール、フェンテルミン、ソーマ、カリソプロドール、レバキン、レボフロキサシン、プロポキシフェン、ノルバスク、アンロジピン、メトホルミン、アミトリプチリン、アチバンロラゼパム、ガバペンチン、アンビエン、ゾルピデム、ジアゼパム、ウルトラム、トラマドール、プロトニックス、パントプラゾール、モ� ��ック、メロキシカム、ゾコール、シンバスタチン、ドキシサイクリン、スケラキシン、メタキサロン、シトレックス、グアイフェネシン、フェニレフリン、パキシル、パロキセチン、トプロール、メトプロロール、アセトアミノフェン、プロメタジン、トパマックス、トピラメート、プラビックスクロピドグレル、リスペルダル、リスペリドン、プロザック、フルオキセチン、クリンダマイシン、ウェルブトリン、ブプロピオン、ネキシウム、エソメプラゾール、クロニジン、エフェキソール、ヴェンラファキシン、シントロイドレボチロキシン、フロセミド、カリソプロドール、ケフレックス、セファレキシン、プロビジル、モダフィニル、ラミクタール、ラモトリジン、ビトリン、ジルテック、バイアグラ、シルデナフィル、エビリ� �ァイ、アリピプラゾール、ジクロフェナク、メトカルバモール、コンセルタ、メチルフェニデート、ジオバン、バルサルタン、ヒドロキシジン、メトロニダゾール、ビアキシン、クラリスロマイシン、セレブレックス、セレコキシブ、メタドース(Methadose)、ラシックス、フロセミド、プレバシド、ランソプラゾール、リタリン、メチルフェニデート、ゼチア、エゼチミブ、ナブメトン、ジトロマックス、アジスロマイシン、イブプロフェン、フラジル、セレキサ、シタロプラム、テマゼパム、アルテース、ラミプリル、シングレア、モンテルカスト、レボチロキシン、アクトス、ピオグリタゾン、エトドラク、ルネスタ、エスゾピクロン、オムニセフ、セフジニル、ロバキシン、メトカルバモール、ロキシセット、ジプレキサ、オランザピ� ��、エラビル、アミトリプチリン、ブスパー、ブスピロン、ボルタレン、ベニカー、オルメサルタン、アべロックス、モキシフロキサシン、コレグカルベジロール、シタロプラム、フェネルガン、プロメタジン、アジペックス、フェンテルミン、クマジン、ワルファリン、ラニチジン、アドベア、ケテク、テリスロマイシン、トリコール、フェノフィブレート、リチウム、レラフェン、ナブメトン、スボキソン、ブプレノルフィン、デュラデックス、フィオリセット、オメプラゾール、レグラン、メトクロプラミド、ロキシコドン、ナプロシン、ナプロキセン、デメロール、メペリジン、ロバスタチン、プロレックス、バクロフェン、ペルコダン、ストラテラ、アトモキセチン、アレグラ、フェキソフェナジン、フロマックス、タムスロシ� �、メクリジン、アバンジア、ロシグリタゾン、パロキセチン、ペジアテックス、カルビノキサミン、ロゼレム、ラメルテオン、ザナフレックス、チザニジン(Tizanidine)、ベラパミル、ザンタック、ラニチジン、ブプロピオン、アバプロ、イルベサルタン、ジルチアゼム、エナラプリル、エナラプリラット、チザニジン、アシフェックス、ラベプラゾール、ラクチネックス、シアリス、タダラフィル、プリロセック、オメプラゾール、デキストロプロキシプ、デキストロメトルファン、エトクロルビノール、フェンタニル、ガンマ−ヒドロキシブチレート、グルテチミド、ヒドロモルフォン、ケタミン、レボ−アルファ−アセチルメタドール、メペリジン、メプロバメート、メタンフェタミン、メタカロン、メタドン、メトカチノン、モルフィ ン、ニコチン、アヘン、パラアルデヒド、フェンサイクリジン、フルニトラゼパム、パラセタモール、NSAID、オピエート、テトラヒドロカンナビノール、アスピリン、セレコキシブ、ジクロフェナク、ジフルニサル、フルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ケトロラック、メロキシカム、ナプロキセン、ピロキシカム、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、アルフェタニル、ブプレノルフィン、カルフェンタニル、コデイン、コデイノン、デキストロプロポキシフェン、ジアモルフィン、ジヒドロコデイン、フェンタニル、ヒドロモルフォン、ナルブフィン、オキシモルフォン、ペンタゾシン、ペチジン(メペリジン)、プロポキシフェン、レミフェンタニル、スフェンタニル、トラマドール、アモバルビタール、アプ� ��バルビタール、ブタバルビタール、ブタルビタール、ヘキソバルビタール、メチルフェノバルビタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタール、チオペンタルナトリウム、タルブタール、チオバルビタール、アロバルビタール、バルベキサクロン、バルビタール、ブトバルビタール、シクロバルビタール、エタロバルビタール、ヘプタバルビタール、メホバルビタール、メタルビタール、メトヘキシタール、プリミドン、プロキシバルバール、レポサル、セコバルビタール、チオペンタール、ビンバルビタール、ビニルビタール、アジナゾラム、アルプラゾラム、ブロマゼパム、ブロチゾラム、カマゼパム、クロルジアゼポキシド、シノラゼパム、クロバザム、クロナゼパム、クロラゼペート、クロチアゼパム、� �ロキサゾラム、ジアゼパム、ドキセファゼパム、エスタゾラム、ロフラゼブ酸エチル、エチゾラム、フルジアゼパム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、ギダゼパム(Gidazepam)、ハラゼパム、ケタゾラム、ロプラゾラム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、メダゼパム、ミダゾラム、ニメタゼパム、ニトラゼパム、ノルダゼパム、オキサゼパム、ピナゼパム、オルトトリサイクレン、Watson 240−0.5、Tri−sprintec tab、Sezonel、Alene、Miciona、Triguilar、Apre、Metr、Mivelle、プラゼパム、クアゼパム、テマゼパム、トフィソパム、トリアゾラム、バレリアン、及びセント・ジョーンズ・ワート(まとめて「従来の組成物」と称される)が挙げられる。
0088
特定のクラスの従来の組成物を以下で考察する。以下で列挙される組成物のクラス内に入る例示的な組成物を、表1に提示する。一覧は、本発明とともに用いるための例示的な化合物を含有するが、網羅的ではない、ということに留意すべきである。
0089
a.避妊化合物
女性のプロゲステロンは、女性を一定プロゲステロン周期に保持するプロゲステロンによる避妊のように(これに限定されない)処方ホルモンの投与により活性化するように調節される。
0090
避妊用薬剤は、ホルモン(エストロゲン及びプロゲステロン又はプロゲステロン単独)を含有する。薬剤は、種々の形態で、例えばピル、注射(筋肉への)、局所(皮膚)パッチ、及び徐放系(膣リング、皮膚インプラント及び避妊用注入子宮内用具)で利用可能である。プロゲステロンの吸収率は、投与経路に大きく依存する。
0091
特に、プロゲステロン及びその他のホルモンの外因性供給源に対する人の耐性傾向の変更は、投与及び内因性プロゲステロン間の交差耐性作用のためであり得る。上記のように、プロゲステロン及びその代謝物質、例えばアロプレグナノロンの内因性レベルは変動し、したがって投与プロゲステロンに対して患者の耐性傾向の変更を生じる。
0092
b.刺激薬
刺激薬は、警戒を増大するためのレクリエーショナルドラッグ又は治療薬として用いられ得る。それらは、耐性及び生殖力を引き上げるために、並びに食欲を抑制するためにも用いられる。刺激薬を含む化合物のクラスとしては、カフェイン、アンフェタミン、エクスタシー及びコカインが挙げられるが、これらに限定されない。
0093
刺激薬は、脳中のノルエピネフリン及びドーパミンの量を増大し、これが、血圧及び心拍数を増大し、血管を収縮し、血中グルコースを増大し、そして呼吸を増大する。作用は、多幸感とともに警戒、注意及びエネルギーの増大のように感じ得る。
0094
刺激薬は、個体がそれらを強迫的に用い始める点で中毒性であり得る。短時間にわたって反復的に高用量のいくつかの刺激薬を摂取すると、敵意又は偏執の感情を生じ得る。さらに、高用量の刺激薬は危険なほど高い体温及び不規則な心拍を生じ得る。
0095
i.カフェイン
カフェイン(トリメチルキサンチンとしても既知である)は、天然心臓刺激剤及び弱利尿剤である。カフェインは、正常個体において神経衰弱及び不眠症を誘導し、不安及びパニック発作傾向がある患者において不安レベルを増大する。不安惹起剤として、カフェインは脳及び身体の機能を変え、そしてアドレナリンの急速放出を生じ、それにより急速心拍動、血圧増大及び急速表在呼吸を引き起こす。
0096
カフェインは、GABA受容体GABAAに直接又は間接的に作用し、その活性化はより高いニューロン活性を鈍らせる。さらに、神経活性ステロイドはカフェインの刺激剤及び不安惹起作用を調節する、ということが示唆されている。より詳細には、カフェインのIP投与は、アロプレグナノロンの血漿及び脳内濃度の、並びにその前駆体プレグネノロン及びプロゲステロンの血漿及び脳内濃度の用量依存性増大を引き起こす、ということをConcas他は実証した。したがって神経活性ステロイドの血漿及び脳内濃度に及ぼすカフェインの作用は、不安惹起薬の血漿及び脳内濃度、例えば人において実験的不安を誘導するGABAA受容体複合体の直接及び間接的阻害薬の血漿及び脳内濃度と類似であることが示された。これらの作用� ��抗不安薬の全身投与により拮抗される、ということも実証され、これはさらに、不安様又は葛藤行動を誘導する薬理学的治療及び実験条件も神経活性ステロイドの血漿及び脳内濃度の増大を誘導することを実証する。
0097
さらに、カフェインは神経活性ステロイドの血漿及び脳内濃度の増大に関連した神経伝達物質放出及び不安様行動の両方を誘導するため、HPA軸がカフェインのこのような作用を媒介し得る、ということが示唆される。カフェインにより誘発されるアロプレグナノロンの脳内濃度の一過性増大は、覚醒状態に関連した神経内分泌及び神経化学経路の活性化を低減するための、そしてニューロン興奮の程度を限定するための生理学的メカニズムを反映し得る;これは、神経活性ステロイドがCNSの過剰興奮を相殺するよう機能するという事実と一致する。
0098
カフェインは身体依存を誘導し、中毒性であり、したがって長期使用は、耐性及び依存の発現のために問題がある可能性がある。物質使用の突然の中断は、不安及び痙攣を生じ得る。
0099
シプロフロキサシンの感光性
ii.処方刺激薬
注意欠陥障害はしばしば、刺激性薬剤を用いて治療され、その最も大衆的なものとしてはメチルフェニデート(これはその商品名であるリタリンによりさらに一般的に既知である);アンフェタミン(これはデキストロアンフェタミンとの混合物として販売される場合があり、その商品名アデラルにより一般に既知である);及びデキストロアンフェタミン(その商品名デキセドリンにより一般に既知である)が挙げられる。これらの薬剤は、脳内活動を増強することが既知であり、そして乱用性及び中毒性が明らかになる前に、喘息、肥満症、神経学的障害、並びに種々のその他の軽い疾患を治療するために歴史的に用いられてきた。
0100
c.鎮痛薬
鎮痛薬(より一般的には痛み止めと呼ばれる)は、疼痛を軽減するために、そして痛覚消失を達成するために用いられる薬剤の群の任意の成員である。それらの例としては、パラセテモル、非ステロイド系抗炎症薬、例えばアスピリン、並びにオピオイド、例えばモルヒネが挙げられる。
0101
i.オピオイド
「オピオイド」は、アヘン様及び/又はモルヒネ様薬理学的作用を有する薬剤のクラスに関して用いられる用語である。オピオイドは、中枢神経系及び消化管中に主に見出されるオピオイド受容体と結合する任意の作用物質である。多くの型のオピオイド、例えば身体内で産生される内因性オピオイド(エンドルフィン、ジノルフィン、エンケファリン);アヘン植物体中に見出されるアヘンアルカロイド(モルヒネ、コデイン、テバイン);半合成オピオイド誘導体(ヘロイン、オキシコドン、ヒドロコドン、ジヒドロコデイン、ヒドロモルヒネ、オキシモルホン、ニコモルヒネ);並びに全合成オピオイド誘導体(フェニルヘプチルアミン、フェニルピペリジン、ジフェニルプロピルアミン誘導体、ベンゾモルファン誘導体、オリパ� �ン誘導体、モルフィナン誘導体、ロペリミド、ジフェノキシ
レート)が存在する。本明細書中で用いる場合、「オピエート」という用語は、オピオイド受容体と結合する任意の化合物、例えば天然アヘンアルカロイド、それから得られる半合成オピオイド、並びに天然オピエートと類似の生理化学を有し、そして一般にモルヒネに代謝させる合成オピオイドを指すものとする。
0102
臨床設定では、オピオイドは鎮痛剤として、そして慢性及び/又は重症疼痛及びその他の疾患症候を軽減するために用いられる。しかしながらいくつかのオピオイドは、静脈内投与される場合の、又は吸った場合のそれらの多幸感誘導特性のため、乱用されるか又は違法に用いられる。
0103
ii.テトラヒドロカンニボール
大麻又はマリファナは、向精神性化学物質であるTHC(デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール)を含有する植物である。喫煙すると、THCは個体の肺中に、その結果、血流中に容易に拡散する。THCは脳及び身体の機能を変え、そして最初に朦朧感及び眩暈、並びに短期記憶、協調、学習及び問題解決に及ぼす有害作用を生じる。
0104
長期使用は、耐性及び依存の発現のために問題がある可能性がある。THCは、GABA受容体GABAAに直接又は間接的に作用し、その活性化はより高いニューロン活性を鈍らせ得る。THC使用は、種々の副作用、例えば学習及び記憶問題、異常知覚、不安、偏執症及びパニック発作(これらに限定されない)を生じ得る。さらに、THCは身体依存を誘導し、中毒性である。THC乱用のための一般的な治療は、認知−行動療法、及び患者を薬剤から引き離すことを基礎にしていた。しかしながらこれらの方法は、中毒に伴って生じる生理化学的変化を取り扱わないという点で失敗である。
0105
米国では違法であると考えられるが、いくつかの場合、大麻は、医療目的のために厳密な監督下で処方される。医学的には、大麻は、或る種の末期疾病のための食欲刺激剤及び疼痛軽減剤として最も頻繁に用いられる。また、緑内障及び或る種の神経学的疾病、例えば癲癇、片頭痛及び双極性障害を軽減するためにも用いられる。
0106
d.バルビツレート
バルビツレートは、中枢神経系(CNS)抑うつ薬として作用して、広範囲の作用(軽度の鎮静から麻酔まで)を生じる薬剤である。今日、バルビツレートは、抗痙攣薬として、そして麻酔誘導のためにしか滅多に用いられない。時々、2つ以上のバルビツレートが、単一錠剤又はカプセル中で組合される。
0107
バルビツレートはGABAの機能を増強し、そして神経及び筋肉組織に対する一般的抑うつ薬である。軽度〜中等度のバルビツレートの毒性は、アルコール中毒によく似ている。重症急性バルビツレート毒は、CNS問題、例えば嗜眠及び昏睡を引き起こす。
0108
e.ベンゾジアゼピン
ベンゾジアゼピンという用語は、催眠、抗不安、抗痙攣、健忘及び筋弛緩特性を有する薬剤の一クラスを指す。ベンゾジアゼピンは、3つの群、即ち短期作用(6時間未満);中間的作用(6〜10時間);並びに長期作用(持続する強い鎮静作用)群に分けられる。
0109
ベンゾジアゼピンはしばしば、重症不能状態不安又は不眠症の短期軽減のために用いられる。長期使用は、耐性及び依存の発現のために問題がある可能性がある。上記で詳細に記載したように、それらはGABA受容体GABAAに作用し、その活性化はより高いニューロン活性を鈍らせる。ベンゾジアゼピン使用は、種々の副作用、例えば眠気、運動失調、錯乱、眩暈及び判断障害(これらに限定されない)を生じ得る。さらに、ベンゾジア
ゼピンは身体依存を誘導し、潜在的に中毒性である。物質使用の突然の中断は、痙攣、錯乱、精神病、又は振戦せん妄と類似の作用を生じ得る。離脱症候の開始は遅延され、そして不眠症、不安、振顫、発汗、食欲喪失及び妄想により特性化され得る。ベンゾジアゼピン乱用の一般的な治療は、認知行動療法、患者を薬剤から引き離すこと、そしていくつかの症例では、薬剤の作用を中和するためにベンゾジアゼピンアンタゴニストを投与することを基礎にしていた。しかしながらこれらの方法は、中毒に伴って生じる生理化学的変化を取り扱わないという点で失敗である。
0110
f.非ベンゾジアゼピン抗不安薬、鎮静薬、催眠薬及び精神安定薬
非ベンゾジアゼピン催眠薬は、不眠症(或いは就寝又は睡眠継続困難)の短期治療のために用いられる。クロルメチアゾールのようなものは、動揺及び不穏を助けるために、そしてアルコール離脱症候を助けるために用いられ得る。
0111
上記のようにこれらの薬剤が脳に与える作用のため、それらは、毎晩定期的に摂取される場合、約4〜6時間より長い間、人によっては或る種の依存(又は中毒)を時として生じ得る。
0112
g.抗うつ薬
臨床的抑うつは、精神的及び身体的構成成分の両方を有する健常状態である。抑うつの生理学的症候は、神経伝達物質と呼ばれる脳内の情報を伝達する化学物質の変化又は不均衡のためであり得る。多数の最近の抗うつ薬が、或る種の神経伝達物質、例えばセロトニンのレベルを増大しようと試みている。さらに、プロゲステロン及びGABAに及ぼすその作用は、抑うつ及び抗うつ薬依存に関連づけられる、ということが示されてきた。
0113
CNS薬、例えば選択的セロトニン再取込み阻害薬、三環系抗うつ薬、及びモノアミンオキシド阻害薬の中止は、離脱、即ちGABAA受容体α1サブユニットと比較した場合の全GABAA受容体α4サブユニットの増大を引き起こし、これが次に不安を引き起こす可能性がある。
0114
i.選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)
選択的セロトニン再取込み阻害薬は、身体の天然気分増強化学物質の1つである神経伝達物質セロトニンの利用可能性を増大することにより、抑うつを軽減する。SSRIは、一度に2つ以上のトラックに沿って化学活性を誘発する、ということを近年の研究は示している。フルオキセチン(プロザック(Prozac)(登録商標))、パロキセチン(パキシル(Paxil)(登録商標))及びセルトラリン(ゾロフト(Zoloft)(登録商標))はすべて、気分を調節し、重度の月経前障害及びその他の状態において見出される不安及び抑うつを高めるのに一役を果たす、脳内で作られるステロイドであるアロプレグナノロンのレベルに及ぼす劇的な正の作用(10〜30倍)を示す。
0115
このGABA経路では、アロプレグナノロンは、イオンチャネルにおける或る種の開口をどれだけ多く、そしてどれだけ長く開けたままにしておけるかを増大することにより、気分増強神経伝達物質受容体を後押しする。フルオキセチン及びフルボキサミンはアロプレグナノロンの脳内及び脳脊髄液内含量を増大する、ということを近年の臨床試験は示唆している。
0116
V.GABAA受容体上の神経ステロイド結合を抑制する化合物
一実施形態では、本発明は、GABAA受容体神経ステロイド結合部位に競合的に結合する化合物の一クラスからの一化合物の使用方法に関する。一実施形態では、化合物は、アロプレグナノロンがGABAA受容体と結合するのを抑制するものである。別の実施形態では、化合物は、離脱時に、α1サブユニットに比してα4サブユニットの増大を生じな
いものである。
0117
例えば、3ベータ−プレグナン異性体エピプレグナノロン及びイソプレグナノロン(これらに限定されない)はともに、GABAA受容体機能を強化するアロプレグナノロン及びアルファキサロンの能力を抑制する、ということをMaitra他(1998)は実証した。
0118
VI.神経ステロイド産生を抑制する化合物
一実施形態では、本発明は、神経ステロイド産生を抑制する化合物(「神経ステロイド産生の阻害薬」)の一クラスからの化合物の使用方法に関する。一実施形態では、化合物は、プロゲステロンのその代謝物質アロプレグナノロンへの転換を抑制するものである。別の実施形態では、化合物は、プロゲステロン代謝物質5α−ジヒドロプロゲステロンのアロプレグナノロンへの転換を抑制するものである。
0119
図4に示されるように、プロゲステロンは、まず、5α−レダクターゼと呼ばれる酵素により5α−ジヒドロプロゲステロンに転換される。5α−ジヒドロプロゲステロンは次に、3α−ヒドロキシステロイドオキシドレダクターゼ酵素により5α,3α−プレグナノロン(アロプレグナノロン)に転換される。
0120
ここで、本発明における使用のために神経ステロイド産生の特定のクラスの阻害薬が参照される。神経ステロイド産生のクラス及び阻害薬は本明細書中に概括的に記載されているが、当業者は、プロゲステロンのその代謝物質アロプレグナノロンへの転換を妨げる神経ステロイド産生の任意数の阻害薬が本発明に用いられ、そしてその一覧は包括的というわけではない、と理解するべきである。
0121
一実施形態では、個体にプロゲステロンのアロプレグナノロンへの転換を遮断する治療的有効量の5−アルファ−レダクターゼ阻害薬を投与する。1つの例示的な5−アルファ−レダクターゼ阻害薬は、フィナステリド又はその類似体若しくは誘導体である。好ましくは5α−レダクターゼ阻害薬は、I型阻害薬、II型阻害薬又はそれらの組合せとして作用することができ、5α−レダクターゼ酵素にプロゲステロンの5α−ジヒドロプロゲステロンへの転換をさせないように、したがってプロゲステロン代謝物質アロプレグナノロンを作らせないようにし得る。
0122
5−アルファ−レダクターゼ阻害薬に関する一般的に許容される用量投与レジメンが存在する。一実施形態では、個体にプロゲステロン代謝物質5α−ジヒドロプロゲステロンのアロプレグナノロンへの転換を遮断する治療的有効量の3−アルファ−ヒドロキシステロイドオキシドレダクターゼ阻害薬を投与する。1つの例示的な3−アルファ−ヒドロキシステロイドオキシドレダクターゼは、インドメタシン又はその類似体若しくは誘導体である。3−アルファ−ヒドロキシステロイドオキシドレダクターゼ阻害薬に関する一般的に許容される用量投与レジメンが存在する。プロゲステロンの産生を最大限に低減し、そして治療に対して個体を最も受容性にするために、本発明は、確立された安全性及び効力の用量投与範囲内での操作を� �図する。
0123
Bitran他(1995)は、5−アルファ−レダクターゼ阻害薬による治療がプロゲステロンのアロプレグナノロンへの転換を妨げ、そしてプロゲステロンの抗不安活性を排除する、ということを実証した。さらに、アロプレグナノロンの不安惹起性離脱特性は、インドメタシンのような3α−ヒドロキシステロイドオキシドレダクターゼ遮断薬の予めの投与により防止され得る、ということが示唆された。
0124
a.5α−レダクターゼ阻害薬
5α−レダクターゼ阻害薬は、5α−レダクターゼ酵素の量を有効に低減し、したがっ
て神経ステロイド産生を抑制する抗アンドロゲン活性を有する薬剤の一群である。
0125
i.フィナステリド
フィナステリドは、合成4−アザステロイド化合物であり、5アルファ−レダクターゼ阻害剤である。フィナステリドは4−アザアンドロスト−1−エン−17−カルボキサミド、V−(1,1−ジメチルエチル)−3−オキソ−(5α,17β)−である。フィナステリドの実験式はC23H36N2O2であり、その分子量は372.55である。
0126
フィナステリドは、競合的及び特異的5α−レダクターゼ阻害薬である。フィナステリドは、アンドロゲン受容体に対する親和性を有さず、そしてアンドロゲン性、抗アンドロゲン性、エストロゲン性、抗エストロゲン性又はプロゲステロン性の作用を有しない。
0127
プロゲステロンは、5α−レダクターゼイソ酵素によりGABAA受容体強化神経活性ステロイドアロプレグナノロンに代謝的に転換され、その後、3α−ヒドロキシステロイド酸化物還元される。フィナステリドは、競合的5α−レダクターゼ阻害薬として作用し、したがってプロゲステロンからのアロプレグナノロンの産生を遮断する。
0128
一実施形態では、フィナステリドは、10mg未満、好ましくは5mg未満の総1日用量で少なくとも1つの経口錠剤を用いて送達される。規制当局により認可される範囲で、フィナステリドはまた、ゲルカプセルで、又は注射若しくは注入により送達され得る、と理解されるべきである。フィナステリドは、出産適齢の女性が用いるべきでない。フィナステリドの副作用としては、乳房拡張及び圧痛、皮膚発疹、口唇の膨潤、腹痛、背痛、性欲減退、射精量減少、下痢、眩暈、頭痛、インポテンス及び精巣痛が挙げられる。
0129
ii.デュタステリド
デュタステリドは、I型及びII型アイソフォーム両方のステロイド5αレダクターゼ(細胞内酵素)の選択的阻害剤である合成4−アザステロイド化合物である。デュタステリドは、化学的には(5α,17β)−N−{2,5ビス(トリフルオロメチル)フェニル}−3−オキソ−4−アザアンドロスト−1−エン−17−カルボキサミドと指定される。デュタステリドの実験式はC27H30F6N2O2であり、分子量は528.5を示す。
0130
競合的I型及びII型5α−レダクターゼ阻害薬として、デュタステリドは、プロゲステロンのアロプレグナノロンへの転換を抑制する。デュタステリドは、ヒトアンドロゲン受容体と結合しない。
0131
一実施形態では、デュタステリドは、10mg未満、好ましくは0.5mg未満の総1日用量で少なくとも1つのカプセルを用いて送達される。規制当局により認可される範囲で、デュタステリドはまた、錠剤で、又は注射若しくは注入により送達され得る、と理解されるべきである。デュタステリドは、出産適齢の女性が用いるべきでない。デュタステリドの副作用としては、咳、嚥下困難、眩暈、動悸、蕁麻疹又はみみず腫れ、皮膚掻痒、目蓋若しくは眼周囲、顔面、口唇若しくは舌の脹れ又は膨潤、皮膚の赤味、息切れ、皮膚発疹、顔面、指、足及び/又は下肢の膨潤、胸の圧迫感、異常な疲労又は衰弱、喘鳴、異常射精、性交における関心低減、性的行為又は欲求低減、インポテンス、勃起を有したり又は維持する能力なし、性的� ��力、欲求、欲動又は行為の損失、或いは乳房膨潤又は乳房のうずきが挙げられる。
0132
iii.その他の5α−レダクターゼ阻害薬
本発明は、その他の5−アルファレダクターゼ阻害薬、例えばa)4−アザ−4−メチル−5アルファ−プレグナン−3,20−ジオン(AMPD)(下垂体プロゲステロン5−アルファ還元を抑制する)、b)シプロテロンアセテート、並びにc)スピロノラクト
ン(アンドロゲン又は男性ホルモンの産生への2つの経路を遮断する利尿薬であり、そのうちの1つが5α−レダクターゼの抑制である)の使用も包含する。
0133
本発明は、ノコギリヤシのような有機供給源を含む5−アルファレダクターゼ抑制の有機供給源の使用も包含する。ノコギリヤシ(Serenoa repens)は、5α−レダクターゼ阻害薬の天然供給源である。いくつかの研究は、6ヶ月間摂取された場合、それがフィナステリドに匹敵し得る、ということを示唆している。ノコギリヤシは、1)副作用が実質的にない、そして2)費用効果的であるために、有益である。
0134
b.神経ステロイド産生のその他の阻害薬
本発明はさらに、3α−ヒドロキシステロイドオキシドレダクターゼ遮断薬の使用を包含する。プロゲステロンの不安惹起性離脱特性は、3α−ヒドロキシステロイドオキシドレダクターゼ遮断薬の予備投与により防止されるということを、Gallo及びSmith(1993)は示唆している。一実施形態ではインドメタシンが用いられる。インドメタシンは、発熱、疼痛及び炎症を低減する非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)である。それは、イブプロフェン及びナプロキセンと類似する。インドメタシンは、プロスタグランジンの産生を低減するに際して有効である。
0135
神経ステロイド産生を抑制するために用いられ得る任意の組成物が本発明に用いられ得ると理解されるべきである。一実施形態では、化合物は好ましくは、それらが本発明の治療方法に用いられ得るか否かを判定するためにスクリーニングされる。
0136
詳細には、神経ステロイド産生の抑制をモデル化するために、適切な細胞モデルが用いられる。組成物の効能は、組成物の投与前及び組成物の投与後に、モデル中のプロゲステロン及びアロプレグナノロンの相対レベルを測定することにより測定される。プロゲステロン及びアロプレグナノロンの相対レベルが投与後に低減する場合、組成物は神経ステロイド産生に対する阻害薬として適切であり得る。
0137
VII.或る種のGABAA受容体サブユニットの発現を調節する化合物
部分的アゴニスト/アンタゴニストの効能のレベルは、該当する疾患又は依存による。したがって、受容体部位での部分的アゴニスト/アンタゴニストの効能又は活性のレベルを測定することにより、どんな疾患状態であるかを確定することができ、どんなコンホメーション変化がGABAA受容体サブユニットにおいて起きているかを確定し得る。この情報に基づいて、或る種の組成物は、それらがGABAAサブユニット中で引き起こす変化によって分類され得る。さらに、GABAA受容体中のGABA結合部位はαサブユニット及びβサブユニット間の界面に位置するため、GABAAアンタゴニストは別個の不活性受容体コンホメーションと結合し、安定化し得る。
0138
一実施形態では、本発明は、或る種のGABAA受容体サブユニットの発現を調節する化合物の一クラスからの一化合物の使用に関する。より詳細には、化合物は、GABAA受容体で、より詳細にはα4サブユニット又はα6サブユニットでアゴニストとして役立ち、そしてGABA流を正に強化し得るものである。
0139
したがって選択される化合物は、α4サブユニットの発現に比して、GABAA受容体α1サブユニットの発現における増大を達成するものである。α1サブユニットの発現におけるこの増大は、以下のうちの1つ又は複数により達成され得る:a)α1サブユニットの発現を上方制御する;b)α4サブユニットの発現を下方制御する;c)α4サブユニットを遮蔽する;又はd)α4サブユニットの上方制御を防止する。
0140
したがって注目の中心は、或る種のGABAA受容体サブユニットの発現を調節する、
そしてより詳細には、α4サブユニット対α1サブユニットの相対平衡を、異常アロスタティック状態から正常状態により近づける化合物のクラスからの一化合物を用いることにある。
0141
a.フルマゼニル
一実施形態において、本発明は治療的に効果的な量の薬剤、及びより詳細には、薬物乱用の処置に対する方法における、フルマゼニル(これに限定されない)等のGABAAサブユニットの発現を調節するものの使用に関する。一実施形態では、この化合物は、或る特定のイミダゾベンゾジアゼピン及びエチル8−フルオロ−5,6−ジヒドロ−5−メチル−6−オキソ−4H−イミダゾ−[1,5−a][1,4]ベンゾジアゼピン−3−カルボキシレートの誘導体を含む場合があり、これにはカルボン酸、エステル、塩化アシル、酸無水物、アミド、ニトリル、アルキル、アルカン、シクロアルカン、アルケン、アルコール、アルデヒド、ケトン、ベンゼン、フェニル、及びそれらの塩等のカルボン酸官能基の様々な置換物(substitution) が包含される。別の実施形態では、この化合物は、フルマゼニル又はカルボン酸、エステル、塩化アシル、酸無水物、アミド、ニトリル、アルキル、アルカン、シクロアルカン、アルケン、アルコール、アルデヒド、ケトン、ベンゼン、フェニル、及びそれらの塩を含む。
0142
フルマゼニルは、GABAAの部分的アゴニストとして作用し、α4サブユニットの上方制御を抑制し、且つ/又はα4サブユニットの量に比してα1サブユニットの量を増大し、そして化合物が患者の系中にもはや存在しなくなると、α4サブユニットの上方制御を生じず、且つ/又はα1サブユニットの量に比してα4サブユニットの量を増大させない。
0143
一実施形態では、物質乱用の治療のための方法であって、フルマゼニルの治療的有効量が達成されるまで、0.1〜0.3mgのフルマゼニルの多数回投与に分けられて、所定期間又は間隔中に投与するよう意図される上記治療的有効量のフルマゼニル、通常は0.5mg/日〜20mg/日、0.5mg/日〜15mg/日、特に1.0〜3.0mg/日、より詳細には1.5〜2.5mg/日のフルマゼニルの治療を必要とする患者に投与することを包含する方法が提供される。一実施形態では、所定時間は1〜15分間の範囲であり、そしてフルマゼニルの「用量投与当たり」の量は0.1〜0.3mgである。
0144
個々の用量投与は様々な量であり、そして個々の用量投与間の時間間隔は様々な量であり得るが、但し、送達される総用量は0.5mg/日〜20mg/日、0.5mg/日〜15mg/日、1.0〜3.0mg/日、或いは1.5〜2.5mg/日の範囲である、と当業者に理解される。一実施形態では、用量は1.0mg/日〜3.0mg/日の範囲である。個々の用量は相対的に一貫した時間間隔で送達される。したがって時間間隔は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25分或いはその端数の範囲であり得る。各時期に送達され、時間間隔により分離される用量は、0.1〜0.3mg又はその端数であってもよく、送達� ��れる総薬剤は好ましくは3.0mg/日未満であることに留意されたい。したがって本発明は、実質的に一貫した時間間隔で送達される多数回、逐次的用量の送達を提供する。
0145
フルマゼニルの従来の使用は、短時間にわたる1回用量又はより多数回の用量投与を含み、麻酔の鎮静作用、意識的鎮静又はベンゾジアゼピン過剰用量を逆転することに関する。さらにロマジコン(ROMAZICON)(登録商標)(Rocheにより市販されるフルマゼニルの商標名)は、アルコール、バルビツレート及び交差耐性鎮静薬に関する離脱症候の管理を複雑にすることが明白に示されており、そして神経系に及ぼす副作用を有して、動揺及び不安増大を引き起こすことが示されている。麻酔及び意識的鎮静を取り扱う1回用量投与のために、0.2mg〜1mgのロマジコン(登録商標)の用量を用い、その
後の用量投与は20分以上であることが慣用的に推奨される。反復治療のためには、1mg用量が5分間にわたって、3mg用量まで15分間送達され得る。より多くの用量が短時間の間投与され、例えば3mg用量が6分以内に投与され得る。
0146
VIII.従来の組成物を神経ステロイド産生阻害薬と組合せる新規の組成物
本明細書に記載されるように、本発明で用いるために特定の薬理学的化合物が参照される。本発明は特定の実施形態とともに記載するが、本発明は一実施形態に限定されることは意図されない。複数の薬剤組合せが可能である、と当業者に理解されるべきである。本発明は、薬理学的化合物を投与しながら、アロプレグナノロンの産生を最大限に低減するために、確立された安全性及び効力の用量投与範囲で操作することを意図する。
0147
任意の薬剤を処方する前に、物質依存以外の任意の症候又は障害を有すると診断された患者がこの障害のために薬剤を摂取すべきか否かを、治療前に、主治医が決定を下すべきである。例えば動脈高血圧を有すると診断された患者は、適切な薬剤を処方されるべきであり、又は本発明の治療方法で用いられる組成物とともに用いるのに禁忌を示さない場合、任意の現行薬剤を継続すべきである。
0148
本発明は広範に、任意の剤形又は量での任意の従来の組成物と、同一剤形又は任意の量での神経ステロイド産生の任意の阻害薬との組合せに関する。例示のために、特定の新規の組成物を以下で説明する。従来の組成物の実際の投与量及び投与経路は大いに変わり、そして個々の患者の状態による、と理解されるべきである。したがって、神経ステロイド産生阻害薬の実際の投与量及び投与経路は同様に変わる、とも理解されるべきである。しかしながら、医療分野の当業者は従来の組成物の投与量を適切に選択することができ、神経ステロイド産生の阻害薬は同一剤形で、並びに神経ステロイド産生の遮断に治療的に有効であるのに十分な量で提供されるべきである。
0149
本明細書中で用いる場合、本発明の組成物の「治療的有効量」とは、神経ステロイド産生を低減するか又は防止するのに十分な量を指す。治療的有効量は、依存の症候、例えば不安を低減し、軽減し又は緩和するのに有効な量でもある。症候の低減又は緩和は、症候の低減又は緩和が治療的有効量が投与されたことを示す標準臨床試験を用いて確定され得る。このような臨床試験の例は、ハミルトン不安評価尺度及びベック不安尺度であり、この場合、個々の試験スコアの改善は、治療的有効量が投与されたことを示す。ヒトに用いるための治療的有効量は、動物モデルから確定され得る。例えばヒトに関する用量は、動物で有効であることが判明している循環濃度を達成するように処方され得る。不安の有用な動物モデルは、当業界で既� ��である。
0150
a.処方物
本発明に有用な化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、広範な種々の投与経路又は方式を用いて患者に送達され得る。適切な投与経路としては、吸入、経皮、経口、直腸、経粘膜、腸、並びに非経口投与、例えば筋肉内、皮下及び静脈内注射が挙げられるが、これらに限定されない。これらの方法は、神経ステロイドの産生を低減するために有用な組成物、薬剤又は医薬品の製造における上記の化合物の使用も包含する。特許請求される方法は、或る種の物質の中毒特性を治療し、低減し又は緩和するために有用な組成物、薬剤又は医薬品の製造における上記の化合物の使用も包含する。
0151
「薬学的に許容可能な塩」という用語は、本発明で使用する化合物の生物学的効果及び特性を保有するこれらの塩を意味し、この化合物は生物学的ではないか、又はそうでなければ望ましくない。このような塩は、無機塩基及び有機塩基から調製することができる。無機塩基由来の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。有機塩基由
来の塩としては、第一級、第二級及び第三級アミン、天然の置換アミンを含む置換アミン、並びに環状アミン、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、トロメタニン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、N−アルキルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、及びN−エチルピペリジンの塩が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、カルボキサミド、低級アルキルカルボキサミド、ジ(低級アルキル)カルボキサミドを含むカルボン酸アミド等の他のカルボン酸誘導体が本発明の実施に� �用であることも理解されるべきである。
0152
化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、単独で、他の化合物と組合せて、及び/又は他の治療薬と組合されたカクテルで投与され得る。もちろん、本発明の化合物と同時投与され得る治療薬の選択は、一部は、治療されている症状による。
0153
活性化合物(又はその薬学的に許容可能な塩)は、それ自体、又は薬学的組成物の形態で投与されることができ、この場合、活性化合物は、1つ又は複数の薬学的に許容可能な担体、賦形剤又は希釈剤との混和物又は混合物中にある。本発明に従って用いるための薬学的組成物は、薬学的に用いられ得る調製物中への活性化合物の加工処理を促す賦形剤及び助剤を含む1つ又は複数の生理学的に許容可能な担体を用いて従来のやり方で処方され得る。適正な処方物は、選択される投与経路による。
0154
注射のためには、化合物は水溶液中に、好ましくは生理学的に適合性の緩衝液、例えばハンクス溶液、リンガー溶液又は生理食塩緩衝液中に処方され得る。経粘膜投与のためには、透過されるべき関門に適した浸透剤が処方物中に用いられる。このような浸透剤は、当業界で一般的に既知である。
0155
経口投与のために、活性化合物を当該技術分野で既知の薬学的に許容可能な担体と組合せることにより、化合物を容易に配合することができる。このような担体は、本発明の化合物を、治療する患者の経口摂取のために、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液等として配合することができる。任意に、得られた混合物を粉砕し、好適な助剤を添加した後、顆粒混合物を処理して、必要に応じて、錠剤又は糖衣錠コアを得ることにより、経口使用のための医薬品を固体賦形剤として得ることができる。好適な賦形剤は、特にラクトース、スクロース、マンニトール又はソルビトールを含む糖類等の充填剤;例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、ト� ��ガカントガム、メチルセルロール、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)等のセルロース製剤である。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天若しくはアルギン酸、又はアルギン酸ナトリウム等のこの塩等の崩壊剤を添加してもよい。
0156
糖衣錠コアは、好適なコーティングで提供することができる。このために、濃縮糖溶液を使用してもよく、これは任意にアラビアゴム、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、carbopolゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、並びに適切な有機溶媒或いは溶媒混合物を含んでもよい。染料又は顔料は、同定のため又は活性化合物の用量の異なる組み合わせを特徴付けるために錠剤又は糖衣錠のコーティングに添加してもよい。
0157
経口投与のために、化合物を徐放性製剤として配合することができる。徐放性製剤を配合する多くの技法が、以下の参考文献:米国特許第4,891,223号、同第6,004,582号、同第5,397,574号、同第5,419,917号、同第5,458
,005号、同第5,458,887号、同第5,458,888号、同第5,472,708号、同第6,106,862号、同第6,103,263号、同第6,099,862号、同第6,099,859号、同第6,096,340号、同第6,077,541号、同第5,916,595号、同第5,837,379号、同第5,834,023号、同第5,885,616号、同第5,456,921号、同第5,603,956号、同第5,512,297号、同第5,399,362号、同第5,399,359号、同第5,399,358号、同第5,725,883号、同第5,773,025号、同第6,110,498号、同第5,952,004号、同第5,912,013号、同第5,897,876号、� �第5,824,638号、同第5,464,633号、同第5,422,123号、及び同第4,839,177号、並びに国際公開第WO98/47491号に記載されている。
0158
経口的に用いられ得る薬学的調製物は、ゼラチン製の押込嵌めカプセル、並びにゼラチン及び可塑剤例えばグリセロール又はソルビトール製の軟質密封カプセルを含む。押込嵌めカプセルは、活性成分を、充填剤、例えばラクトース、結合剤、例えばデンプン、及び/又は滑剤、例えばタルク又はステアリン酸マグネシウム、任意に安定剤と混合して含有し得る。軟質カプセル中では、活性化合物は適切な液体、例えば脂肪油、液体パラフィン又は液体ポリエチレングリコール中に溶解されるか又は懸濁され得る。さらに安定剤が添加され得る。経口投与のための処方物はすべて、このような投与に適した投与量であるべきである。
0159
頬投与のためには、組成物は、従来の方法で処方される錠剤又はロゼンジの形態を取り得る。
0160
吸入による投与のためには、活性化合物は、適切な噴霧剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又はその他の適切なガスを用いて、加圧パック又はネブライザーから、エーロゾル噴霧提示(presentation)の形態で送達されるのが便利であろう。加圧エーロゾルの場合、投与量単位は、計測量を送達するために弁を提供することにより確定され得る。例えば吸入器又は吹付け器中で用いるためのゼラチンのカプセル及びカートリッジは、化合物及び適切な粉末基剤、例えばラクトース又はデンプンの粉末ミックスを含有して処方され得る。
0161
化合物は、注射により、例えばボーラス注射又は連続注入により、非経口投与のために処方され得る。注射のための処方物は、単位剤形で、例えばアンプルで又は多用量投与容器中に、添加防腐剤とともに提示され得る。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液又は乳濁液のような形態をとることができ、そして処方作用物質、例えば沈殿防止剤、安定剤及び/又は分散剤を含有し得る。
0162
非経口投与のための薬学的処方物としては、水溶性形態の活性化合物の水溶液が挙げられる。さらに、活性化合物の懸濁液は、適切な油性注射用懸濁液として調製され得る。適切な親油性溶媒又はビヒクルとしては、脂肪油、例えばゴマ油、或いは合成脂肪酸エステル、例えばエチルオレエート又はトリグリセリド、或いはリポソームが挙げられる。水性注射用懸濁液は、懸濁液の粘度を増大する物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール又はデキストランを含有し得る。任意に、懸濁液は、適切な安定剤、又は化合物の可溶性を増大して高濃縮溶液の調製を可能にする作用物質も含有し得る。
0163
或いは活性化合物は、使用前に、適切なビヒクル、例えば滅菌無発熱性水による構成のために粉末形態であり得る。
0164
化合物は、直腸組成物中で、例えばココアバター又はその他のグリセリドのような従来
の坐薬基剤を含有する坐薬又は停留浣腸中でも処方され得る。
0165
前述の処方物のほかに、化合物は、デポー製剤としても処方され得る。このような長期作用処方物は、埋め込み又は経皮送達(例えば皮下又は筋肉内)、筋肉内注射、或いは経皮パッチにより投与され得る。したがって、例えば化合物は、適切な高分子又は疎水性物質(例えば許容可能な油中の乳濁液として)、或いはイオン交換樹脂を用いて、或いは難溶解性誘導体として、例えば難溶解性塩として処方され得る。
0166
本発明のさらなる実施形態は、ナノ粒子に関する。本発明の化合物は、ナノ粒子中に含まれ得る。本発明の範囲内のナノ粒子は、単一分子レベルでの粒子、並びに顕微鏡的特性を示す粒子のそれらの凝集物を包含するよう意図される。上記のナノ粒子を使用及び製造する方法は、当該技術分野で見出すことができる(米国特許第6,395,253号、同第6,387,329号、同第6,383,500号、同第6,361,944号、同第6,350,515号、同第6,333,051号、同第6,323,989号、同第6,316,029号、同第6,312,731号、同第6,306,610号、同第6,288,040号、同第6,272,262号、同第6,268,222号、同第6,265,546号、同第6,2� ��2,129号、同第6,262,032号、同第6,248,724号、同第6,217,912号、同第6,217,901号、同第6,217,864号、同第6,214,560号、同第6,187,559号、同第6,180,415号、同第6,159,445号、同第6,149,868号、同第6,121,005号、同第6,086,881号、同第6,007,845号、同第6,002,817号、同第5,985,353号、同第5,981,467号、同第5,962,566号、同第5,925,564号、同第5,904,936号、同第5,856,435号、同第5,792,751号、同第5,789,375号、同第5,770,580号、同第5,756,264号、同第5,705,585号� �同第5,702,727号、及び同第5,686,113号)。
0167
薬学的組成物は、適切な固体又はゲル相担体又は賦形剤も含み得る。このような担体又は賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、及びポリマー、例えばポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。
0168
本発明で用いるのに適した薬学的組成物としては、前述のように、活性成分が治療的又は予防的有効量で、即ち治療的又は予防的利益を達成するのに有効な量で、含有される組成物が挙げられる。もちろん、特定用途のために有効な実際量は、治療されている症状、並びに投与経路によっている。有効量の確定は、特に本明細書中の開示を鑑みて、十分に当業者の認識範囲内である。
0169
b.使用方法
本発明の方法は、上記のクラス中の或る種の化合物の中毒及び習慣性形成特性を低減するために有用な組成物、薬剤又は医薬品の製造における上記の化合物の使用を包含する。これらの方法は、神経ステロイドの産生を低減するために有用な組成物、薬剤又は医薬品の製造における上記化合物の使用も包含する。特許請求される方法は、上記のクラス中の或る種の化合物の耐性を低減するために有用な組成物、薬剤又は医薬品の製造における上記の化合物の使用も包含する。
0170
c.例示的な組成物
本発明を、特定の実施例によりさらに詳細に記載する。以下の実施例は、例示目的のために提供され、そしていかなる点でも本発明を制限又は限定するよう意図されない。以下の実施例は、本発明をさらに例示するために役立つが、しかしながら同時に本発明を任意
に制限するものではない。それどころか、本明細書中の説明を読めば、本発明の精神を逸脱することなく当業者に示唆され得るその種々の実施形態、変形形態及び均等物に対する方策が示され得る、ということが明らかに理解されるべきである。
0171
経口投与錠剤は、100mg〜1000mg、好ましくは300、325、400、500、650又は750mgのヴァイコディン(VICODIN)(登録商標)及び0.1〜150mg、好ましくは5mgのフィナステリドを含む。
0172
経口投与錠剤は、100mg〜1000mg、好ましくは325、500、又は650mgのパーコセット(PERCOCET)(登録商標)及び0.1〜150mg、好ましくは5mgのフィナステリドを含む。
0173
経口投与錠剤は、0.1mg〜5mg、好ましくは0.25、0.5、1、2、又は3mgのザナックス(XANAX)(登録商標)及び0.1〜150mg、好ましくは5mgのフィナステリドを含む。
0174
経口投与錠剤は、1mg〜200mg、好ましくは10、20、40、又は90mgのPROXAC(登録商標)及び0.1〜150mg、好ましくは5mgのフィナステリドを含む。
0175
経口投与錠剤は、1mg〜50mg、好ましくは2、5、又は10mgのバリウム(VALIUM)(登録商標)及び0.1〜150mg、好ましくは5mgのフィナステリドを含む。
0176
経口投与錠剤は、1mg〜200mg、好ましくは5、10、20、30、40、80、100又は160mgのオキシコンチン(OXYCONTIN)(登録商標)及び0.1〜150mg、好ましくは5mgのフィナステリドを含む。
0177
経口投与錠剤は、10mg〜1000mg、好ましくは100、325、500、及び650mgのダルボセット(DARVOCET)(登録商標)及び0.1〜150mg、好ましくは5mgのフィナステリドを含む。
0178
経口投与錠剤は、1mg〜50mg、好ましくは5、6.25、又は10mgのゾルピデム(Zolpidem)(登録商標)及び0.1〜150mg、好ましくは5mgのフナステリドを含む。
0179
経口投与錠剤は、1mg〜200mg、好ましくは10、12.5、20、30、又は40mgのパキシル(PAXIL)(登録商標)及び0.1〜150mg、好ましくは5mgのフィナステリドを含む。
0180
経口投与錠剤は、0.5mg〜100mg、好ましくは2.5、5、10、15、又は20mgのジアゼパム及び0.1〜150mg、好ましくは5mgのフィナステリドを含む。
0181
経口投与錠剤は、0.5mg〜100mg、好ましくは2.5、5、10、15、又は20mgのメタドン及び0.1〜150mg、好ましくは5mgのフィナステリドを含む。
0182
経口投与錠剤は、0.01mg〜1000mgの上記の従来の組成物のいずれか、及び0.1〜150mg、好ましくは5mgのフィナステリドを含む。
0183
経口投与錠剤は、0.01mg〜1000mgの上記の従来の組成物のいずれか、及び0.1〜1000mgの神経ステロイド産生阻害薬のいずれかを含む。
0184
経口投与カプセルは、150mg〜750mg、好ましくは500mgのヴァイコディン(登録商標)及び0.1〜100mg、好ましくは0.5mgのデュタステリドを含む。
0185
経口投与カプセルは、100mg〜1000mg、好ましくは500mgのパーコセット(登録商標)及び0.1〜100mg、好ましくは0.5mgのデュタステリドを含む。
0186
経口投与カプセルは、1mg〜250mg、好ましくは10、20、又は40mgのプロザック(PROZAC)(登録商標)及び0.1〜100mg、好ましくは0.5mgのデュタステリドを含む。
0187
経口投与カプセルは、1mg〜50mg、好ましくは10、15、2.5、20、又は5mgのバリウム(登録商標)及び0.1〜100mg、好ましくは0.5mgのデュタステリドを含む。
0188
経口投与カプセルは、1mg〜200mg、好ましくは5mgのオキシコンチン(登録商標)及び0.1〜100mg、好ましくは0.5mgのデュタステリドを含む。
0189
経口投与カプセルは、0.5mg〜100mg、好ましくは2.5、5、10、15、又は20mgのジアゼパム及び0.1〜100mg、好ましくは0.5mgのデュタステリドを含む。
0190
経口投与カプセルは、1mg〜500mg、好ましくは10、15、30、20、100、又は120mgのモルヒネ及び0.1〜100mg、好ましくは0.5mgのデュタステリドを含む。
0191
経口投与カプセルは、10mg〜1000mg、好ましくは100、200、又は400mgのセレブレックス(CELEBREX)(登録商標)及び0.1〜5mg、好ましくは0.5mgのデュタステリドを含む。
0192
経口投与錠剤は、1mg〜100mg、好ましくは15、30、又は60mgのコデイン及び0.1〜150mg、好ましくは5mgのフィナステリドを含む。
0193
経口投与錠剤は、1mg〜500mg、好ましくは25、50、又は100mgのゾロフト(ZOLOFT)(登録商標)及び0.1〜150mg、好ましくは5mgのフィナステリドを含む。
0194
0.1〜150mg、好ましくは5mgのフィナステリドをその中に有するニコチンパッチ。
0195
本実施例は錠剤及びカプセルの形態で薬学的組成物に関して提示されるが、それらは溶液又は注射可能剤形をとり得る、と理解されるべきである。さらに、限定投与量レジメンを用いない物質、例えばアルコール、カフェイン及びニコチンに関しては、神経ステロイド産生阻害薬は、依存の低減を達成するために必要とされる場合、添加され得る、と理解されるべきである。
0196
任意量のワイン、ビール又はその他のアルコール飲料、例えば6オンス、12オンス、1パイント又は1クォート、並びにその中に溶解される0.1〜150mg、好ましくは5mgのフィナステリドを含む溶液。
0197
経口投与錠剤は、0.25mgのノルゲスチメート、0.035mgのエチニルエストラジオール及び0.1〜150mg、好ましくは5mgのフィナステリドを含む。
0198
経口投与錠剤は、.5mg〜1mgのノルエチンドロン、0.035mgのエチニルエストラジオール及び0.1〜150mg、好ましくは5mgのフィナステリドを含む。
0199
上記の実施例は、本発明の系の多数の応用形態の例示に過ぎない。本発明のわずかな実施形態を本明細書中に記載してきたが、本発明の精神又は範囲を逸脱することなく、本発明は多数の他の特定の形態で具体化され得ることが理解されるべきである。したがって本発明の実施例及び実施形態は、例示的であると考えられるべきものであって、本発明はそれらに限定されず、そして本発明は、本明細書中に示された詳細に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の範囲内で変更され得る。上で挙げた特許文献、刊行物及び要約はすべて、参照によりその全体が本明細書に援用される。
0201
詳細な説明は、以下に簡単に説明する図面を考慮して考察されるべきである。
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